名曲647 「君は天然色」【大滝詠一】
ーー芸術といえば、これになるかーー
【[Official] 大滝詠一「君は天然色」Music Video (40th Anniversary Version)】
前回に90年代の芸術といった話を書いた。芸術といえばどの年代も強い武器がある。80年代に目を向けてみよう。おお、ルネッサンス。まだ書いていなかったのが意外な「君は天然色」を取り上げる。
といっても知名度は非常に高いはず。いまもCMでカバーされているし、そのメロディーが一度頭に入ったら5年は忘れない中毒性が備わっている。老若男女知れ渡っている曲といったら、この曲が挙がりそうだ。歌詞はわからずとも鼻歌で誰でもいけちゃう。いまこの夏の季節にぴったりである。
改めて思うのが大滝詠一の声質の絶妙さだ。この曲、数多くのアーティストがカバーしているのだが、本家を超えたものはちょっと見当たらない。誰もかれもが大滝詠一に負ける。あの清涼感はどうなっているんだ。
さて、この曲が名曲であることはもう周知の事実ではあるので、今回はどちらかというとこちらの『A Long Vacation』のアルバムを紹介したい。えっ、そっちも有名だって? 確かに。でも今はYouTubeでフルで聴けるのだ。
シティポップで再注目されている名盤。日本を代表するといっても過言でもないようだ。「君は天然色」は1曲目に収録されている。爽快なスタートはまさしくアルバムの理想。まだ聴いたことがない方はぜひぜひ。私の属する20代以下はけっこう知らない人が多いはず。
それにしても天然色という表現は新しく古いリスペクトである。
{想い出はモノクローム 色を点けてくれ もう一度そばに来て はなやいで 美しのColor Girl}
作詞は松本隆。作曲は大滝詠一。両巨匠のコンビだ。その組み合わせの最高傑作がここではないかと思っている。色があるというのは人として最大の褒め言葉。それがなくなっていくのは悲しいもの。色褪せていくのだけは避けたい。ん、ひとつ曲を思い出した。
【今日の名歌詞】
想い出はモノクローム 色を点けてくれ もう一度そばに来て はなやいで 美しのColor Girl