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(音楽話)07: Ariana Grande “Bad Decisions”(2016→2020)

【アイドル→シンガー】

Ariana Grande “Bad Decisions”

Arianaもいつの間にか27歳。ミュージカル女優として15歳でショービズ界にデビューし、2011年に歌手としてシングルをリリース。2013年以降爆発的に売れ、米国どころか欧州・アジアにもその人気は伝播。その容姿・ファッションも相まって時代のアイドル、アイコンのひとりになりました。2018年にはグラミーを受賞(「Sweetener」で最優秀ポップ・アルバム)。2020年にはLady GAGAとのコラボ曲”Rain On Me”が大ヒットし、ビルボードHOT100で通算4回目の「初登場1位」を獲得。Mariah CareyとDrakeの記録を抜き「同チャートで「初登場1位」を最も多く獲得したアーティスト」として名を刻みました。今や新曲を出せば必ず売れるシンガーであり、常に新作を期待され、そして常にゴシップを期待される女性。ちなみに大の日本好き(原宿大好き、カワイイ大好き、は有名)。

今回は彼女が2016年に既に発表している”Bad Decisions”のリミックス版を紹介しようと思ったのですが…せっかくなので「オリジナルとリミックスのテイストの違い」を皆様に聴き比べてもらおうと、以下にご提案します。え、ヒマだなお前って?…あはは、ある意味ヒマですな。まぁ、よろしければお付き合いくださいませ。

まずはオリジナル。2016年リリースのアルバム「Dangerous Woman」収録曲です。

Ariana Grande “Bad Decisions (original)” (2016)
https://www.youtube.com/watch?v=zLMaAAfgbZo

ヒップホップ・テイストなリズム・トラックをベースにしっかりとした曲構成で、サビ部分は実に口ずさみたくなるメロディ。ある意味ちょっと懐かしい90年代R&Bをチラつかせるあたりは巧妙だなぁ。しかしあくまでサウンドは10−20代向けのハネたもの。そしてPVはArianaの可愛らしさ・セクシーさを前面に押し出し「アタシ、エロカワイイでしょ?」というイメージ付けが徹底されています。

これを踏まえて、今年リリースされたリミックス版。

Ariana Grande “Bad Decisions (R&B version)” (2020)
https://www.youtube.com/watch?v=823FywORR9I

イントロから違うサウンド・テイスト。ちょっと浮遊感がありながらより一層R&Bに寄ったヴァージョンです。BPMも少しだけ速いかな。音構成は今とってもオイシイ「ちょっと昔のディスコ・サウンド」を現代アレンジしたものに…そうです、確信犯です。今米国・欧州共に流行ってるこのサウンドを踏まえ、Ariana(というかチームAriana)が彼女のプレゼンスを市場に明示したもの=リミックスという形でリリースーーーというのが実際のところではないかと。つまり「ディスコ?アタシの手に掛かればこんな感じよ、カッコいいでしょ?」…まぁこれ、全て私の妄想なので実際は全然違うかもしれませんが笑

聴き比べるとよく分かりますが、サウンドが異なるとここまで曲の雰囲気が違う。単に印象が変わるだけではなく、音色の濃淡、輝き、歌い手の成熟具合すら垣間見えるような気がします。少なくともリミックス版は、明らかに大人っぽくなっています。つまり、Arianaはアイドルからシンガーへと確実にスタンスを変えている。4年の時を経て貪欲に「時代の歌い手」を狙っている。

Bad Decision。どの世界でも間違ったことはあるもの。それを認めることが大切。その勇気があるかどうか、いつだって私たちは試されている…なんて思ってみたりします。

(紹介する全ての音楽の著作権等は制作者にあります。本note掲載についてはあくまで個人の楽しむ範囲のものであって、それらの権利を侵害することを意図していません)

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