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M005 荒井由実/翳りゆく部屋

荒井由実(現:松任谷由実)の「翳りゆく部屋」は、1976年3月5日に東芝EMIからリリースされた彼女の7枚目のシングルであり、荒井由実名義で発表された最後の楽曲です。このシングルは、A面に「翳りゆく部屋」、B面に「ベルベット・イースター」を収録しています。後者は彼女のデビューアルバム『ひこうき雲』からのシングルカットです。

この作品は、彼女の初期キャリアを締めくくる重要な一曲であり、その深い歌詞と独特の音楽性から現在でも多くのファンに愛されています。

荒井由実名義最後のシングル「翳りゆく部屋」は荒井由実名義でリリースされた最後の楽曲であり、この後彼女は結婚を機に松任谷由実として活動を続けます。そのため、この楽曲は一つの節目として位置付けられています。
夫・松任谷正隆との共同制作編曲を担当した松任谷正隆は、この楽曲で初めて全面的にプロデュースを手掛けました。二人は1976年11月に結婚し、この作品はその直前に制作されたものです。夫婦としての最初期の共同作業であり、その後の音楽活動にも影響を与えました。

「翳りゆく部屋」は、別れや喪失感をテーマにしたバラードで、ピアノを中心とした静謐なアレンジが特徴です。松任谷正隆による編曲では、重厚なストリングスやパイプオルガンが取り入れられ、荘厳な雰囲気を醸し出しています。これにより、楽曲全体が深い感情を伴った叙情的な世界観を持つ仕上がりとなっています。

歌詞には、夕陽や宵闇といった視覚的なイメージが多用されており、別れの切なさが詩的に表現されています。「どんな運命が愛を遠ざけたの」というフレーズは、聴く者の心に強い印象を残します。

TBS系ドラマ『家庭の秘密』の主題歌として使用されました。

楽曲情報

リリース日: 1976年3月5日
レコード会社: 東芝EMI
作詞・作曲: 荒井由実
編曲: 松任谷正隆

参加ミュージシャン

ボーカル/作詞作曲: 荒井由実
編曲/プロデュース: 松任谷正隆
演奏: キャラメル・ママ(後のティン・パン・アレー)
キャラメル・ママによる演奏は、当時日本音楽界で最先端だったサウンドを取り入れており、この楽曲にもその影響が色濃く反映されています。

チャート成績

「翳りゆく部屋」はオリコンチャートで最高10位を記録し、22週にわたってランクインしました。累計売上は約25.6万枚とされています。この記録は当時としても高い評価を得ており、彼女の代表作として語り継がれています。

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