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E011 John Lennon/JEALOUS GUY

ジョン・レノンの「Jealous Guy」は、1971年に発表されたアルバム『Imagine』に収録され、感情的で率直な楽曲。愛する人への不安や嫉妬をテーマにし、ジョン自身の内面を赤裸々に表現した作品です。

元々ビートルズ時代の1968年に「Child of Nature」というタイトルで書かれた楽曲が原型です。インドのリシケーシュでマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの講義からインスパイアされて作られました。
「Mother Nature's Son」というポール・マッカートニーの楽曲と内容が重なることから『ホワイトアルバム』には収録されず、その後『Imagine』制作時に歌詞とタイトルを変更して完成しました。

新しい歌詞では、愛する人への嫉妬や不安を正直に表現しており、ジョン自身が抱えていた感情的な脆さや自己反省が込められています。このテーマは、彼とヨーコ・オノとの関係性にも深く結びついています。

楽曲の特徴「Jealous Guy」は、美しいピアノメロディとストリングスアレンジが特徴的なバラードです。プロデューサーのフィル・スペクターによる壮大なサウンドスケープが楽曲全体を包み込み、ジョン・レノンの切ないボーカルを引き立てています。

1977年、日本滞在中にジョンは友人エリオット・ミンツとホテルで過ごしていた際、日本人老夫婦が間違って部屋に入ってきた出来事を面白がり、「Jealous Guy」を即興で演奏したというエピソードがあります。このプライベートな演奏は非常に珍しいものでした。
ジョンの音楽的才能だけでなく、人間的な魅力も感じさせる作品として評価されています。

基本情報

収録アルバム: 『Imagine』(1971年)
作詞・作曲: ジョン・レノン
プロデューサー: ジョン・レノン、ヨーコ・オノ、フィル・スペクター
レーベル: Apple Records

参加ミュージシャン

ピアノ/ボーカル: ジョン・レノン
ベース: クラウス・フォアマン
ドラムス: アラン・ホワイト
ストリングス編曲: フィル・スペクター

チャート成績

「Jealous Guy」はジョン・レノンの存命中にはシングルカットされませんでしたが、1981年に彼の死後追悼シングルとしてリリースされました。
全英シングルチャート: 最高位65位(1985年再発時)
Billboard Hot 100(アメリカ): 最高位80位8

一方で、ロキシー・ミュージックによるカバー版(1981年)は全英チャートで1位を獲得し、この楽曲が持つ普遍的な魅力を改めて証明しました。

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