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N019 岡林信康/君に捧げるラブソング

岡林信康の「君に捧げるラブソング」は、1979年にリリースされたアルバム『街はステキなカーニバル』に収録され、1980年4月21日にシングル「Gの祈り」のB面曲としても発表された楽曲です。

「君に捧げるラブソング」は、タイトルから一見すると恋愛をテーマにした楽曲と思われがちですが、岡林を長年撮影していた写真家で親友の川仁忍(1979年に死去)に捧げられたものです。川仁は岡林の活動を長年撮影を担当していた人物であり、その死を受けて岡林が感じた悲しみや自分が何もできない無力感が描かれています。

アルバム『街はステキなカーニバル』のジャケット写真も川仁によるものであり、この作品が彼の最後の仕事となりました。

「君に捧げるラブソング」は、ゆったりとしたテンポと繊細なアレンジが特徴的で、岡林信康の深みのあるボーカルが際立っています。渡辺茂樹による編曲はシンプルながらも情感豊かで、ピアノやストリングスが楽曲全体を包み込み、聴く者の心に響く仕上がりとなっています。

1979年、岡林信康が『ミュージックフェア』でこの楽曲を披露した際、美空ひばりがこれを観て感動し、「あの歌は私に向けて歌われているようだった」と語ったと言われています。この出来事をきっかけに、疎遠になっていた美空ひばりと数年ぶりに再会することとなりました。

基本情報

リリース日:
アルバム収録:1979年9月25日
シングル収録:1980年4月21日(「Gの祈り」B面)
レーベル: ビクター音楽産業(インビテーション)
作詞・作曲: 岡林信康
編曲: 渡辺茂樹
収録アルバム: 『街はステキなカーニバル』、『GOOD EVENING 岡林信康LIVE!』、『森羅十二象』(2018年セルフカバー版)

参加ミュージシャン

ボーカル/作詞作曲: 岡林信康
プロデューサー/アレンジャー: 渡辺茂樹
キーボード: 渡辺直樹
ホーンセクション: 新田一郎
ギター: セイルボート(詳細不明)

チャート成績


後記

「岡林と言えば」のイメージは、社会的メッセージが強い(私たちの〜的な代弁者的な)作品が浮かびますが、『君に捧げるラブソング』は内的な葛藤が描かれた個人的な作品で、大好きな曲です


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