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E005 The Rolling Stones/Waiting On A Friend

The Rolling Stonesの「Waiting on a Friend」は、1981年にリリースされたアルバム『Tattoo You』に収録された楽曲

ストーンズ特有のロックサウンドとは一線を画し、大人びた雰囲気を持つ楽曲として仕上げられています。ストーンズのキャリアの中でも珍しい成熟した視点を持つ楽曲として評価されています。

友情というテーマを歌詞で描き、「女性や物質的なものではなく、本当に信頼できる友人を待つ」というメッセージが込められています。ミックは「この曲はバンド内の友情について歌ったもの」と語っています。ストーンズの中でも異色とも言える優しいトーンと成熟したテーマが、従来のストーンズ楽曲に多い恋愛や反抗的な内容とは異なり、成熟した視点が感じられます。
この楽曲が完成した1981年当時、バンド内では特にミックとキースの関係が悪化していました。しかし、この曲では二人が協力し、美しい友情賛歌を作り上げたことは注目すべき点です。

「Waiting on a Friend」は最初『Goats Head Soup』セッション時に録音されたものですが、その時点では歌詞がなく未完成でした。1981年、『Tattoo You』制作時に過去の未発表音源を掘り起こし、
クリス・キムジー(エンジニア兼プロデューサー)がこのトラックを復活させ、ミックが新たに歌詞を書き加え完成させました。『Tattoo You』のハイライトとなる楽曲へと仕上げました。
『Tattoo You』は、新曲ではなく過去の未発表音源を再構成して制作されたアルバム。レコード会社から急かされる形で制作されたため、「Waiting on a Friend」もその一環として完成しました。

注目すべきは、ジャズ界の巨匠ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)が演奏するサックスソロです。このソロは楽曲全体に温かみと深みを与え、曲のクライマックスを彩っています。
また、ニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins)のピアノも重要な役割を果たし、楽曲全体に優雅さを加えています。

1974年にバンドを脱退したミック・テイラーがギターで参加。彼のギターパートは『Goats Head Soup』セッション時に録音されたものであり、正式なクレジットはされていません。ミック・テイラーは、この楽曲に自分が参加しているにもかかわらずクレジットされていないとして訴訟を起こしました。この件は後に和解しています。

MTVが1981年に開局した直後、この楽曲のミュージックビデオが頻繁に放送され、大きな注目を集めました。プロモーションビデオはニューヨーク市マンハッタンで撮影され、有名なセント・マークス・プレイス(East Village)が舞台のシンプルな映像が使用されており、ミック・ジャガーとキース・リチャーズがバーで他のメンバーと合流する様子が描かれています。ビデオにはレゲエ歌手ピーター・トッシュも登場しています。

基本情報

作詞・作曲: Mick Jagger, Keith Richards
プロデューサー: Chris Kimsey
プロデューサー: グリマー・ツインズ (Glimmer Twins)(ミック・ジャガーとキース・リチャーズのプロデュース名義)
リリース日: 1981年8月24日
アルバム: 『Tattoo You』
レーベル: Rolling Stones Records / Virgin Records

参加ミュージシャン

ボーカル: Mick Jagger
ギター: Keith Richards, Mick Taylor(未クレジット)
ベース: Bill Wyman
ドラムス: Charlie Watts
ピアノ: Nicky Hopkins
サックス: Sonny Rollins
タンバリン: Kasper Winding
マイク・カラベロ (パーカッション)

チャート成績

アメリカ:Billboard Hot 100で13位
イギリス:チャート入りせず(アルバム中心のプロモーションだったため)

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