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E009 Bill Haley/Rock Around The Clock
Bill Haley & His Cometsの「Rock Around the Clock」は、1954年にリリースされ、ロックンロールの黎明期を象徴する楽曲として広く知られています。この曲は、ロックンロールを世界的な現象に押し上げた最初のヒット曲であり、音楽史において極めて重要な位置を占めています。
「Rock Around the Clock」はロックンロール史上初めてポップチャートで1位を獲得した楽曲となり、その後も何度も再発されるたびにチャート入りしました。「Rock Around the Clock」は、ロックンロールが主流文化へと台頭するきっかけとなり、多くの後続アーティストに影響を与えました。この楽曲は1968年や1974年にも再発され、それぞれチャート入りするなど、その人気と影響力は衰えることがありませんでした。
「Rock Around the Clock」は12小節ブルース形式に基づいた楽曲で、シンプルながらもエネルギッシュなメロディとリズムが特徴です。この曲は、若者文化や反抗の象徴として位置づけられ、1950年代のティーンエイジャーたちに強い影響を与えました。
録音には、Bill Haleyの力強いボーカルとDanny Cedroneによる印象的なギターソロが大きな役割を果たしています。特にCedroneのギターソロは、後のロックンロールギタープレイの基礎を築いたと言われています。
制作背景この楽曲は、1952年にMax C. FreedmanとJames E. Myersによって作られました。当初、この曲はSonny Dae and His Knightsによって録音されましたが、Bill Haley & His Cometsによる1954年版が最も成功を収めました。録音はニューヨーク市のPythian Templeスタジオで行われ、プロデューサーMilt Gablerがその制作を指揮しました。
Bill Haleyは当時30歳を超えており、既に「Crazy Man, Crazy」や「Shake, Rattle and Roll」などで成功を収めていましたが、「Rock Around the Clock」は彼のキャリアをさらに飛躍させることとなりました。
基本情報
曲名: Rock Around the Clock
アーティスト: Bill Haley & His Comets
リリース日: 1954年5月20日
レーベル: Decca Records(アメリカ)、Brunswick Records(イギリス)
作詞・作曲: Max C. Freedman, James E. Myers(ペンネーム:Jimmy DeKnight)
プロデューサー: Milt Gabler
編曲: Bill Haley
参加ミュージシャン
ボーカル: Bill Haley
ギター: Danny Cedrone(ギターソロ担当)
スティールギター: Billy Williamson
ベース: Marshall Lytle
ドラムス: Billy Gussak
ピアノ: Johnny Grande
Danny Cedroneによるギターソロは特に評価が高く、彼自身はこの録音後間もなく亡くなったため、このパフォーマンスは彼の遺作としても知られています。
チャート成績
「Rock Around the Clock」は当初シングルB面としてリリースされ、大きな注目を集めませんでしたが、1955年に映画『Blackboard Jungle(邦題:暴力教室)』のオープニングテーマとして使用されたことで爆発的な人気を得ました。その結果、この楽曲は以下のような記録を達成しました:
全米Billboard Hot 100: 8週間連続1位(1955年)
全英シングルチャート: 3週間1位(1955年)、再発時にも複数回ランクイン
世界中での売上: 推定2500万枚以上