Pet Sounds
私の初めて聞いたThe Beach Boysのアルバム.彼らはもっと「夏」とか「かわいいねえちゃん」とかイケイケな砂浜の,海のロックをやっていたらしいのだけれど,そういうような曲は『Surfin' U.S.A.』しか知らない.そのような曲の彼らを知っているともっとステキに聞こえるのだろうけれど,それがなくてもこれはステキなアルバム.
収録曲
Wouldn't It Be Nice
You Still Believe In Me
That's Not Me
Don't Talk(Put Your Head On My Shoulder)
I'm Waiting For The Day
Let's Go Away For A While
Sloop John B
God Only Knows
I Know There's An Answer
Here Today
I Just Wasn't Made For These Times
Pet Sounds
Caroline, No
『Let's Go Away For A While』と『Pet Sounds』はインスト曲.このアルバムの曲はどれも甘くやさしい音がする.時々切ない音も聞こえてくる.パステルカラーでキラキラとした場面とセピア色のような場面とをいい塩梅で見せてくれる.
The Beach Boysに「サーフィンと女の子だけじゃダメだ!」と思わせたThe Beatlesに感謝.そして,このアルバムが『Here, There And Everywhere』を書くきっかけを与えたことにも感謝.
Wouldn't It Be Nice
このアルバムの話をするのにこの曲を抜きにして話すことはできない.私が初めて聞いたThe Beach Boysだ.この曲は,おそらく他にもこのような方がいるだろうが,越谷オサム氏の小説『陽だまりの彼女』を読んで知った.登場人物の女の子が鼻歌で歌っている.「こんなだったら,あんなだったら素敵じゃないか」と幸せな音が希望の音が聞こえてくる.
God Only Knows
曲中に聞こえてくる「にゅーん」とか「みょーん」と聞こえてくるのはテルミンだ.どこか現実味のない様子を演出している.この曲はとにかくコーラスがきれい.この時代のロックでコーラスといえばThe Beatlesという風潮が見られるが,そんなの目じゃない.美しい世界がそこに待っている.
Caroline, No
最後は悲しい歌.悲しみに打ちひしがれている様子が伝わってくる.歌いだしの歌詞“Where did your hair go?”が胸を刺す.
曲の終わりには踏切の警報機の音が虚しく鳴り響く.
これくらい優しく切なく甘い曲が好き.
いつもアルバムの曲をテキトーに取り上げているけれども,他の曲も素晴らしいしアルバムの文脈の中でのその曲があるからぜひオリジナルアルバムの順番に通して聞くといいと思う.