新・オーディオ入門5 モノラルパワーアンプ
1960年代にステレオが普及するまで、オーディオはモノラルしかなく、スピーカーを1本だけ設置し再生していました。 それでも従来の蓄音機と比較すると十分に高音質で音楽を楽しむことができました。この時のパワーアンプは1チャンネルのパワーアンプです。 その後、ステレオレコードが発売されるとモノラルのオーディオセットを2セット使用してステレオ再生することが盛んに試みられました。 これがモノラルアンプのステレオ使用の始まりです。ステレオアンプがないからしかたなく従来の1チャンネルのアンプを使用したに過ぎません。 その後、ステレオアンプ全盛になるのですが、あるとき改めてモノラルアンプを使用してみるとステレオアンプにはない良さが発見されました。
≪豊かで緻密な音場≫
ステレオアンプには左右2チャンネルの増幅回路がありますが、多くの場合電源回路は共通です。 右に置かれた楽器が再生されるとき、右チャンネルの増幅回路が使われますが左右のチャンネルに共通である電源回路を介して左チャンネルにも影響を与えます。 その結果、左右の音が混合するような現象が発生しステレオ感が損なわれることがあります。モノラルアンプは左右のチャンネルが電源回路も含めて独立しているのでこういった不具合は発生しません。
≪スピーカーケーブルが最短に≫
モノラルパワーアンプはスピーカーの傍らに設置することが可能です。スピーカーとを接続するケーブルを50cm以下にすることも可能です。 スピーカーケーブルはすべてのオーディオケーブルの中で最も影響の大きいケーブルです。最短のスピーカーケーブルは高域特性が広がり、低域のダンピングが向上し、ケーブルによるロスが減少します。
ムジカでは早くからモノラルアンプのメリットに着目し、3種のモノラルアンプ(Cuculo-mono2、Airone-mono、mono64s)と 1種のモノラルアンプ化が可能なステレオアンプRaicho7powを発売しています。