新・オーディオ入門142 『2024.2.19 ノイズとは?』の用語解説
『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。
これまで書いてきた新・オーディオ入門の記事の中から解説が必要な用語を取り上げています。
● スクラッチノイズ
アナログレコードの再生時に『プチプチ』と聞こえるノイズで主にレコード盤がわずかにへこんでいる部分を ピックアップアップが通過する際に発生します。 これはステレオ盤特有の現象でモノラル盤では縦振動はピックアップせず、横振動のみをピックアップするため気になりません。
● 小出力のパワーアンプで無理に大音量を再生すると音が歪む
パワーアンプの出力の大きさは増幅素子の仕様と電源回路の容量で決定されます。 素子の仕様以上にパワーを取り出すことはできません。 電源回路はごく短時間に多少オーバーする程度であれば使用することが可能です。 たとえば、オーケストラでティンパニーの大きな音が一瞬入るだけであれば多少オーバーしても歪むことはありません。 このようなパワーを定格出力と分けてミュージックパワーという表記をするメーカーもあります。
● ディストーションやオーバーロードといったエフェクター
エレキギターはエフェクターと呼ばれる音楽信号の波形を変化させる機器を使用する事でミュージシャンの意図する音色に変化させる事が可能です。 デイストーションは歪を意味し、あえて歪を多く含んだ信号に変化させるものです。 オーバーロードは過負荷を意味し、小出力の真空管のパワーアンプで無理に大出力で使用した時のような信号に変化させるものです。
● 20KHz以上の周波数帯域のノイズが・・・
20KHz以上の周波数帯域のノイズによって最も大きな影響を受けるのはパワーアンプです。 20KHz以上の周波数帯域の信号もスピーカー(負荷)に供給されています。 耳で聴くことはできませんがスピーカーでエネルギーは消費されています。 このエネルギーは電源から供給されているものですので、可聴帯域で使用するエネルギーが目減りしてしまいます。 さらに具合の悪い事にはパワーアンプに使用されている半導体は周波数が高くなると効率が低下します。 つまり、高い周波数では発熱が多くなりパーツの劣化や半導体の破壊をもたらすことがあります。
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