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新・オーディオ入門16 スーパーツィーターは必要?

スーパーツィーターは、ツィーターよりも高い周波数帯域を再生するスピーカーです。 多くは10KHzあたりから50KHz辺りの以上の帯域を再生します。モデルによっては100KHzまで再生するものも。

人間は20KHzまでの高音域を聴くことができると言われています。20KHzより上は聴こえないのであれば必要ないのでは?・・・と40年前は考えられていました。 そしてCDの上限は20KHzに設定されます。 CDが発売されてしばらくすると、一部のオーディオファンからCDよりもアナログレコードの方が高音質?という声が上がります。 CDは当時の最先端技術。対してアナログレコードは1910年代からの技術。 CDの方が良いに決まっている・・・はずだったのですが、アナログレコードには50KHzまで記録されているものもあるということが判りました。 エンジニアはCDが高音質でないのは20KHz以上を再生できないからでは?ということになり、 CDが進化したDVDでは上50KHzに拡大、ブルーレイでは100KHz、そしてハイレゾでは100KHzを超えるものまで登場してきました。 このように人間に聴こえないはずの20KHz以上の帯域が音楽に影響を与えているということは、これまでのデジタルメディアの変遷から明らかです。

それではどういった仕組みで聴こえない音が音楽に影響を与えるのでしょう?この答えは未だ不明です。 しかし、ヒントとなる事例はあります。バイオリンにストラディバリウスという16~17世紀に製作された高価な楽器があります。 現在400~500挺が現存すると言われており、優れた音質であるがために10億円を超える値が付くこともあります。 このストラディバリウスと音大の学生が使っている練習用のバイオリンの基音をマイクで測定しても違いを検出することはできません。 ところが倍音成分を分析するとその違いがでてきます。 それが高い周波数帯に分布する倍音成分の違いです。

人は年をとると10KHz程度までしか聴こえなくなると言われていますが、そんな方でもストラディバリウスの音には感動するわけです。 耳で聴こえないような高い周波数を再生するスーパーツィーターの価値がここにあるのではないかと考えられています。