新・オーディオ入門37 低域増強法
『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎について初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。
オーディオファンであれば迫力あるリアルな低音を不足なく再生したいと思うことでしょう。低音には『質』と『量』があり、両方ともに改善しなければなりません。『質』はともかく、『量』の方は比較的簡単です。
いくつかの方法がありますが、最も簡単なのはプリアンプの『トーンコントロール機能』を使う方法です。音楽を聴きながら調整できますので初心者でも失敗のない方法です。しかし、最近のプリアンプにはトーンコントロール機能がないモデルも多くあります。
トーンコントロールを発展させた方法としてグラフィックイコライザーを使用する方法があります。トーンコントロールよりも細かな調整が可能で、低域だけでなく全帯域の調整ができます。しかし、この方法はそれなりのコストがかかります。また、各メーカーをチェックしてみてもハイレゾに対応した現代的なグラフィックイコライザーはRaicho7geqしか見当たりません。
本格的に行うのであれば、サブウーハーを追加する方法があります。こちらもコストの負担に加えて2台のサブウーハーの設置場所も検討しなければなりません。嘗ては1台のサブウーハーだけを使用する時代もありましたが、音場再生を重要視し、最近ではメインスピーカーと同じようにサブウーハーを2台設置することをおすすめしています。
低コストで簡単に行う方法としてお勧めしたいのが低域増強アダプター(15000円・税込)です。
低域増強アダプターは低域に特化した簡易的なトーンコントロール。低音量を3段階に切り替える事ができます。電源を必要としませんので音の鮮度が落ちません。低域増強アダプターは低音を増加させるのではなく、中高域の音量のみを下げることによって、結果として低域が増強する仕組みです。つまり、余分な利得を低音に変えるアクセサリーと考えて下さい。この方式は全体の音量が下がりますが、プリアンプのボリュームを上げることで中高域は同じ音量で、低域は増強されて再生する事ができます。取り付けは簡単でプリアンプとパワーアンプ間に挿入して使用します。