見出し画像

光はまた、必ず差す~SAKANAQUARIUM 光 ONLINEを観て~

いまだ勢い衰えぬ新型コロナウイルスの影響で、我らがサカナクションもついに残りのツアー公演の中止を発表しました。
今までは数公演をひっぱってひっぱって「延期」としてきたけど、会場の都合やいろんな面でそろそろ限界だったのかなと。

もちろん悲しいけれど、あたくしも本来なら5月に行けるはずだった金沢公演が7月に延期になり、
それがまた9月に延期になり…という状況だったので、どこかでこうなることはなんとなく予想していました。

そして筋金入りの魚民ならば、自分らの悲しみよりも
心優しく繊細な一郎さんのメンタル面のほうが心配になってくる今日この頃ですよね。

スクリーンショット (11)

↑わかってはいても、改めて文字でアナウンスを見ると残念。涙

「ライブミュージックビデオ」という、新しいコンテンツ

だがしかし。
僕たち私たちのサカナクションはやはり、ただものではなかったのだ。

先日行われた、初めてのライブストリーミング公演「SAKANAQUARIUM  光 ONLINE」

ただオンラインでライブを配信するのではない。
名づけて「ライブミュージックビデオ」by一郎さん

これ、みなさん、観ましたか?
私ももちろん観ましたが、これはまたとんでもねえものをやってくれたなという感動と興奮が止まりませんでした。

本当に全世界の人に教えたい。
ひとまず全員、観た方がいい。

もしかするとアーカイブを観れていなくて、いつか盤としてリリースされる(ことを個人的には心待ちにしているがそんな発表はまだ無い)のを楽しみにしている方がいるかもしれないので詳しいネタバレは避けますが、

まぎれもなく新しい音楽体験がそこにはありました。

物理ライブで彼らの音を浴びることができなくなっている今だからこそ、今回のライブミュージックビデオ配信とともに、ゆっくりサカナクションの魅力を振り返る時間にしたい
そんな思いで書きます。

当初の予算”3,000万想定”が、突き詰めた結果”1億越え”に

ライブ配信の直前にスッキリ!に出演してくれた一郎さん。
その中のインタビューで言ってました。

「当初3,000万円の予想で立ち上げたんですけど」
「気づいたら1億何千万になっていて」

おい。聞いたぞ。
テレビ画面もちゃんとスマホで撮ってエビデンス残したからな。
すっごくさらっと言ってたけどやべえじゃねえか

3,000万円 → 1億何千万

ルフィの懸賞金の上がり方じゃあるまいし…

そうやってコダワリにコダワリまくってるから、いつも赤字になっちゃうんでしょうが!!!!!(怒)

注釈:
あまり知らない人向けに説明します。

サカナクションはリスナー・ファンに対してどこまでも真面目でストイックなので、商売(=利益)優先で品質を妥協したような作品は絶対に世に出しません。
自分たちが必ず納得できるクオリティの歌詞・音・映像・グッズしか届けてくれません。
私たちファンは、なんて幸せなんでしょうね。

ただ、それ故にオリジナルアルバムのリリース間隔がかれこれ6年も空いて、やっとアルバム聴けるうぅぅ!と歓喜してたらさらに発売が半年間延びて絶望したり、

「このツアーグッズかわいいな~」と思ったらびっくりするほどお値段が高くてふえぇ…今月もお金たりないよぅ…と涙目になったり、

幕張メッセで6.1chサラウンドの公演を行った時も、一郎さんがあらゆるところで「今回スピーカー増やしすぎてすごい赤字だから!みんなグッズ買ってね!」とアピールして話題になったり。

そんなわけで、魚民はサカナクションの新しい楽曲を待たされるのにも慣れてるし、チームサカナクションの経済状況までも若干ハラハラしながら見守っているのですw

でも、そんなふうに作品作りに対して徹底的にストイックなサカナクションだからこそ、みんな大好きなんですよね。

なのでスッキリ!を見た時の私も「また赤字かよ!!!おこだよ!!!」とプリプリしながら、
「仕方ないな…がんばってグッズ多めに買うかな…」と二やつく始末なので

結果的に経済がまわってると言えますねw

「ライブミュージックビデオ」を体験して


やっぱり、すごかった

というか、思ってた以上の内容でした。
観終わって、最初の感想が「これ本当にライブ配信でやったのかいな」ということ。

よくYouTubeにあがってるフェス公式チャンネルのダイジェスト動画みたく、
演奏するバンドを正面やら横やらナナメから撮り、たまにメンバーそれぞれを抜く。
みたいな、見慣れた感じのものではありません。

色んなところに工夫が散りばめられているから観ていて飽きない。
生でライブを観ているような感覚にさせてくれる演出もあり。
そして、逆に画面越しならではの、生のライブではできない仕掛けも。

この点は本当にスゴイと思いましたね。
きちんと普段のライブ公演と同じような形で成立しているのに、今までにない新鮮さがあった。
うーん、ネタバレしないで語るのむずかしいw

とにかく、圧倒的でした。
こんなもん作ったら、1億何千万かかるわね。
細かいことはわからんけどもう勝手に納得。

酒を飲んだらちょっとフワフワするくらいの感覚になるのが好きなわたくしですが、酔っぱらうのも忘れて食い入るように観てました。

残念だったこと

当日の生配信中は遅延があったり画面が止まっちゃったりで、満足に観れなかった場面がけっこうあったんですよね。

ただ、これはおそらくうちのマンションのWi-Fi回線が激弱なせいで、めちゃくちゃ強固な回線ひいてた環境では遅延もほとんどなかったような話なので、運営側の問題では無さそうです。

しかしこれが生のライブと決定的に違うところで、
不可抗力で曲を途中でぶった切られると、ものすごいストレスでした。

好きな曲のさあ!サビだぞ!っていうところでタイミングよく画面がフリーズ、
リロードしてやっと直った!と思ったら、次の曲が始まってる…
これはかなりつらい。

でも、2日分のアーカイブをあとでゆっくり観たら、途中で止まることもほとんどなくノンストレスでした。

一郎さんの決意

配信の最後、

まだ普通にライブができる状態じゃないけど、
わくわくすることがないと、面白くない。
チャレンジして、チャレンジして、頑張ります。

一郎さんはそう言っていました。

自身やチームサカナクションこそ、この状況下でとても苦しい思いをしているはずなのに、こんなに前向きなメッセージをくれるなんて。
ちょっとグッときたよ。

われわれ魚民も、また同じ空間でひとつになって盛り上がれる日のために
悲しんだりいじけたりしないで、できることをやろう、と。


余韻に浸りながらエンドロールを見ていると、まるで1本の映画を観終わったかのような、なんとも不思議な気分になりました。
心も耳も満腹。

チームサカナクションの皆さま、本当にありがとう。
今回のライブミュージックビデオは是非とも映像作品としてリリースしてほしいです

どんなに金欠でも(お布施として)必ず買いますから。

いいなと思ったら応援しよう!