知識は悪なの?
ジャックと音楽の木 田中素子です。
新しいプロジェクトに向けて、着々と動き始めています。
このプロジェクトに取り組む中で、何度も固定概念を壊す作業が必要になっています。
いつの間にか、自分の中に浸透している「当たり前」。その中の一つは「知識=悪」という考え方でした。
ダルクローズ・メソッドを学び始めた時、音楽を体験する喜びに目覚めて、その教室をつくってしまうほどに感激したのですが、
それは、それまで私の経験に体験型の音楽教育がなかったからでした。
知識とトレーニングが主だった私が受けてきた音楽教育に「体験」という要素が加わった時、その目から鱗度合いの大きさや世界が開けた感覚から、私は何故か反射的に「知識やトレーニング重視の教育はダメなもの」としてしまっていたのです。
今回のプロジェクトに向き合って考えていく中で、「あれ?なんなの、この思い込み」と、ハタと我に返りました。
知識とトレーニングは、どんな分野でも何に於いても絶対不可欠なものです。
そこにある大きな違いは「知る喜びを伴った知識」であるか、「表現したい想いを叶えるためのトレーニング」であるかどうか。
「これってなんだろう?これってどうしたらいいんだろう?」
そこから発した想いの先にある「知識やトレーニング」は、とてもとても重要なファクターだと思います。
そして、その「これってなんだろう?これってどうしたらいいんだろう?」という想いの根っこを掘り起こすのが「体験」なのだと思いました。
つまり、「体験」は「知識」によって着地し、「トレーニング」によって次の段階に進んでいくのではないかと思ったのです(もちろん、私の様に逆からでも補完し合えるとは思うのですが、多くの時間をロスしてしまった気がします)。
それぞれに最適な方法や在り方が存在して、それぞれが相互に補完し合っていければ、とても充実した学びの機会になるのではないか。
「混ぜるな危険」ではないけれども、自分が学ぶ側にいる時には、今どのファクターの事をやっているのかを意識する事で、受け取り方が全く違ってくると思うし、
提供する側にいる時には、もっとクリアに、今どのファクターの事を伝えようとしているのかを明確に意識する事が必要だと思ったのです。
という事で、新しいプロジェクトは、どんな風に成長していくのかワクワクが止まりません。
公開までまもなく!
田中素子