無期限休講 Day39「コロナ後の世界」
こんにちは。田中素子です。
昨夜、緊急事態宣言が5月31日まで延長になりました。元々医師団が5月18日頃までの自粛要請をしていたので、5月6日で終わりはないだろうと思っていましたが、それよりも長い事にがっかりしました。
ずっと1人で過ごしている母の事も心配です。毎日、夕方にはビデオ電話をして顔を見て話をして、小曽根真さんのLIVE配信が終わったら「今日も最高の演奏だったね。おやすみなさい。」とLINEメッセージを交わしています。
昨日は、友だちから「コロナ後、みんな世界が変わるって言ってるけど、どう変わるの?」と聞かれました。が、私にも分かりません。誰も分からないと思います。なぜなら、まだコロナが終わった国がないから。
私としては、これを機に成長や競争を目的とする社会が終わって欲しいなぁと思います。もっと成熟した、頑張らなくてもいい共存共生の社会になってほしいです。もちろん、好きな事は夢中になっていっぱい頑張ったらいいと思います。でも、社会という枠や決まり事に合わせて、ただひたすら止まることが許されない生き方は、もう終わりになるといいなぁ、と思います。
それから、オンラインのニーズが高まって、色々な事がオンライン化していくと言われています。これについては、私はそう思いません。
過去からずっと技術の進歩は繰り返されてきて、技術は技術によって塗り替えられ、古い技術は淘汰されていっています。
でも、リアルはそのまま残っています。
事実、既にこんなにみんなリアルを恋しがっています。解禁になったら、一気にリアルの需要が高まるでしょう。
ただ、残るリアルは、もしかしたら「価値あるリアル」だけになるかもしれません。「オンラインでもいいじゃない」という価値に変わったものは、リアルに戻る必要がなくなるでしょう。
より合理的で効率的なものと、時間をたっぷりかけて愛でるものとの二極化が進むかもしれません。そうなると、価値の軸は「お金」から「時間」に変わると思います。
急を要する事には時間を短縮させ、不要不急な事にはたっぷり時間をかけて、長さ短さの時間の価値観ではなく、濃さ薄さの時間の価値観が高まると思います。
逢いたい人と過ごす時間がもっと増えるといいな。
旅行もバーチャルじゃダメな事。世界をもっともっと自分の目で見たいです。
画面越しに喋るだけじゃなくて、同じものを食べて飲んで、美味しいねって言い合いたい。
週一回のオンライン音楽イベントで、画面の向こうで動いている可愛い生徒さんたちの動画を送っていただくと、
こんな風に動いていてくれていたんだぁ、と嬉しくなると同時に、同じ時間を過ごしているのに、送られた動画でしか様子を見られない事を寂しく思います。
6月には、愛おしいリアルな日々が戻ってくるかな。
5月、まだ始まったばかりです。希望を持って、明るく過ごしていこうと思います。
田中素子