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無期限休講 Day40「リアルとデジタル」

こんにちは。田中素子です。

今日は朝から、現役オペラ歌手の田村麻子さんから、ヴォイスレッスンを受けました。麻子さんはニューヨークからで、Zoomを使ったレッスンです。

今日はセミプライベートレッスンを受けたので、受講生が全部で4名のみっちり丁寧なレッスンでした。

今まで、リアルで何度か他の先生の歌のレッスンを受けた事がありますが、驚くほど固定概念が覆るレッスンです。胸骨の使い方や、腹筋の締め方、母音それぞれの口の使い方、舌の位置、声帯を全部使う原音、顎関節の仕組み...ここまで細かく細かくトレーニングして、あの大ホールで、マイクなしでオーケストラの音量を上回る声量で、長時間美しい声で歌い続ける事ができるのか....!と感心感動します。

私は昔、イタリア歌曲などを歌うのが大好きで、声楽の先生に「いい声をしてる。声楽科に転向したらいいのに。」と言われていました。ところが、ある時に声帯炎を起こして、声が出なくなる経験をしてから、年々再発の頻度が高くなり、高音域を出そうとしたら咳き込んだり、音程コントロールが上手くいかなくなったりして、今では、普段の声そのものにハリが無くなっているのを感じていました。

今日は麻子さんに画面越しで、声帯を全部使っていないということに気づかれて「その使い方だと声帯を痛めてポリープできたりしてしまうから、この練習をしっかりしてみて。」とアドバイスをいただきました。

もしかしたら、また歌える時が来るのかもしれない、とワクワクしています。

それで思い出しました。まだ20代の頃、オペラ鑑賞に行った時のこと。オペラを観始めたばかりの頃だったので、一つ憧れの敷居を跨ぐことへのワクワク感と、思い切って払う金額の事もあり、前日にDVDで予習をして行ったのでした。

DVDがとても素晴らしく感動したので、さぞかしリアルは素晴らしいのだろうと期待に胸を膨らませて行ったのですが、結果は撃沈。DVDの方が安くて自宅でハイクオリティだったのです。でも、リアルで鑑賞したのも海外の有名な歌劇場の日本公演でした。

その演目は、ヴェルディ作曲「オテロ」。感動したDVDはメトロポリタンオペラ、タイトルロール(主役)はプラシド・ドミンゴさんのもの。今になると、比較してはいけないほどに、最高キャストとスタッフが集まった、世界最高レベルのDVD作品でした。

あの時に、超一流のものは、たとえデジタルであっても、リアルの一流を超えてしまう、という事を学びましたが、今回の麻子さんのヴォイスレッスンもそれをしっかり感じました。

毎晩の小曽根真さんのライブストリーミングでもそうです。世界レベルの方は、デジタルを経由しても素晴らしいのです。

こういうレベルの方々のレッスンやライブが、手軽に自宅で無料や格安で受けられるのは、消費者にはとてもラッキーですが、同業者の方にはたまらないだろうなぁ...と思います。

そういう世界レベルの方達がリアルに多望な日常の方が、全体のバランスが取れるのだろうなぁ、と思いつつも、今の環境でも豊かで充実した時間を過ごせる事に感謝しかありません。

ちなみに、田村麻子さんのこのプログラムのサムネイルは、私がつくりました。パワーポイントでつくっただけなのですが、ティファニーブルーにホワイト、マゼンダピンクにイエローと、特に大好きな色ばかりを使ったので、自分でつくっておきながら、眺めているだけでテンションが上がります。

皆さんにとてもオススメしたい内容なので、日本側の協力をさせてほしいとこちらからお願いしました。

40日目の今でも「この期間は、愛で行動する」を貫いています。


田中素子


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