私は自分に負けたんだ...
ピアノレッスンの事。
4歳から習い始めた小2の女の子が、宿題の曲が合格しなかった事が悔しくて、ポロポロポロポロ涙を流して泣き出した。
でも、私は全然平気。だって、4歳の頃からずっとそうだから、慣れっこです。
「このままじゃ、〇〇ちゃんに抜かされちゃう。」
と言いながら、怒り泣きしている。
「ねえ、友達と比べることは全然しなくていいと思うんだけど、もし、どうしても比べるのなら、練習の量が違うんだと思うよ。」
今の子どもたちは、習い事が多くて、本当に忙しそうです。
私のレッスンでは、こういう練習をしてきてほしいというのは言いますが、それを1日何回弾くかは自分で決めてもらっています。
どんなに小さな子でも、小さな事でも「やらされている」のと「自分の意思でやっている」事には大きな差があります。
「たくさん練習するのでも、ちょっとだけ練習するのでも、どっちでもいいけど、たくさん練習すると進むのも上手になるのも早いし、ちょっとしか練習してしてなかったら、進むのも上手になるのもゆっくりだよ。ちょっとしか練習しないでどんどん進むって事はないと思うなー。」
「ちなみに、どっちを選んでも、私はそのペースに合わせてレッスンするから、どっちでも大丈夫だよ。」
しゃがみ込んで、泣きじゃくってるけど、きっと聞いてはくれてるだろうな。
レッスン後にお迎えに来てくださったお母様から、夜、LINEが来て、
『今日のレッスンはどうだったの?と聞いたら、「私は自分に負けたんだ...」って言ってました。』
と書いてありました。
その言い方がかわいくて、笑ってしまいました。
本当にどっちでもいいなぁって思います。私だって、そんなに練習する子じゃなかったし。
でも、その結果は自分に返ってくる。
裏を返すと、やった分だけ返ってくる。
それがまた、楽しいのです。
来週はどうなってるかな?楽しみです。
田中素子