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夏休みの思い出

子どもたちにとって、夏休み最後の週末です。
たくさんの思い出をつくれたかな?

私は子どもの頃、長期間、大好きな祖父の家に滞在できる夏休みが大好きでした。

外科の開業医だった祖父は、畑仕事が大好きで、毎朝、野菜をつくりに畑に行ってから診療所に行き、お昼休みと夕方に帰ってきていました。

あまり多く喋る人ではなかったですが、お酒と美味しい食事が好きで、たくさんの経験をして、たくさんの想いを抱えている人でした。

子どもの頃の夏休みの宿題で「親戚の人に戦争体験を聞いてみよう」というのがあり、普段あまり喋らず、近寄りがたい雰囲気の祖父に尋ねた事を思い出します。

祖父は海軍の軍医として南の島に出征していたそうです。

祖父は戦地で、怪我をしていた敵兵の治療をしたことで、自分が捕虜になった時に命を奪わないでもらえたと言っていました。

終戦を迎え、敵軍から解放された時には、友人はみんな亡くなっていたそうです。

だから、自分だけが生きていることに、ずっと罪悪感を感じていると話していました。

多趣味の1つに写真もあり、自宅に暗室まで作っていた祖父の家や診療所には、たくさんの美しい海や浜辺の写真が飾られていました。

日本ではない、その美しい島の写真は、祖父が出征していたトラック島の写真でした。

幼い時から眺めていたその美しい写真の数々が、大切な仲間たちが埋まっている場所だと知ってからというもの、寡黙な祖父はどんな気持ちで写真を眺め、黙って何を抱えているのかを、想像しては胸が痛くなっていました。

大勢の中にいても、どこか独りぼっちな祖父が、ふっと遠くにいってしまいそうで、その話を聞いてからは、いつもソファに座っている祖父の隣に座るようになっていました。

何も喋らないけど、嬉しそうでした。

マリンスポーツをしない私が島旅を好きなのは、子どもの頃から見てきた、たくさんの写真が記憶にあるからかもしれません。

田中素子





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