変な癖
3月の末に髪を切りました。
今は、4年前、コロナ禍の頃と同じくらいのショートボブヘアです。
髪を切る前は、短い髪にしたくてしたくて、街を歩いている人もショートやボブヘアーの人ばかり素敵に見えて、春なのに重たい髪型の自分がとても嫌でした。
ですが、いざ切ると、今度は綺麗なロングヘアの人ばかり目に入ります。
ダイエットをして体重を10kg近く落とした時も同じでした。洋服は何でも綺麗に着こなせるし、ショップでお勧めされる洋服も、とても着こなせないと思っていた素敵な洋服ばかりで楽しかったです。
ですが、その頃は街で歩いているふくよかな人が魅力的に見えていました。健康的で柔らかそうで優しそうで女性らしくて。自分がギスギスで女性らしくないと感じていました。
なのに、自分がふくよかになってくると、今度はまたスレンダーな人ばかり目に入ります。
要は、いつも自分ではない人が魅力的に見えているという事です。
私は図々しいかな、仕事に関してはそれがなく、自分以外の誰かが羨ましかったり、誰かみたいになりたいと思うことがありません。
自分が思い描いている情景だけを追い求めていて、外界が見せてくる世界に興味がないのです。
なのに、こと容姿になると、自分と反対側の人が美しいと思ってしまうのは、ある種の自己肯定感の低さなのでしょう。
そういえば、私はダルクローズ・リトミック国際サーティフィケイト試験で「自己肯定感とダルクローズ教育」というテーマでレポートを書きました。
提出前に、恩師の宮良愛子先生に見ていただいた時、
「レポートとしては、よく書けていると思うわよ。でも、私は自己肯定感が低いっていう人が嫌いなのよ。自分を低くみる意味が分からない。」
と言い捨てられたのが、強烈に印象に残っています。
その時に、
「私は、今の教育システムも音楽教育も本質的に違うと思っているし、とても好きではない。だからこそ、ダルクローズ・メソッドに出逢った時に、これが私の求めていたものだと強く思ったのです。愛子先生は違いますか?」
と質問をしたら、
「私は、今までの教育システムも音楽教育がどっちを向いていても、音楽が好きでダルクローズ・メソッドが好きなのよ。ただそれだけ。」
とおっしゃり、
「嫌いだから変えよう、じゃダメよ。好きだから選ぶにしなきゃ。」
と言われたのが、今でも強く残っています。
私は、同じ髪型やファッションスタイルでい続けるより、変化をさせるのが好きです。
なので、ロングヘアに到達すると急にバッサリ切って、またそこから伸びるまでの色々な長さのヘアスタイルを楽しみたいと思っています。
なのに、なぜか切るとロングヘアに戻したくなって、伸ばす事が目的になり、そこまでの全ては「過程」となってしまう。
やっぱりそれではつまらない。
せっかく切った今の髪型をたくさん楽しみたいし、今の体型も楽しみたいし、今の私の全てを楽しみたい。
今を楽しむと自分を好きになる。
きっとそういう事を教えてくださっていたのですよね?
田中素子