The Sundays 全アルバムをフィジカルで聴く
The Sundays(ザ・サンデイズ)ってどんなバンド?
ザ・サンデイズは80年代後半にイギリスで結成されたバンド。ジャンルとしてはネオアコやギターポップ、ドリームポップなどにカテゴライズされることが多い。そしてそのサウンドは、ギターのプレイスタイルや歌声からザ・スミスやコクトー・ツインズ等から影響を受けていると言われている。ただし、バンド結成当初から彼らは他のバンドの曲作りを模倣したり、カヴァーなどはあまりせず、オリジナリティを大切にしてきたようだ。2ndアルバムの国内盤に収録されているカヴァー曲が、サンデイズの出音とは程遠いストーンズの「ワイルド・ホーセズ」というのもそういった理由からかも知れない。
デビューからアルバムは3枚
バンド結成は87年。イギリス・ブリストルの大学でギターのデイヴとボーカルのハリエットが出会い(彼らはその後夫婦となる)曲作りを始め、ロンドンに拠点を移し、そこにベースのポールとドラムのパトリックが参加してサンデイズが始まる。
メンバー
ハリエット・ホィーラー (Vo)
デヴィッド・ガブリン (G)
ポール・ブリンドレイ (B)
パッチ・ハナン (Dr)
ハリエットの透明感ある歌声とそのルックスが話題を呼び、2回目のライブですでにカメラマンが来てその後レコード会社が殺到。文字通り争奪戦となる。その中から彼らはメジャー・レーベルではなく、インディペンデントのラフ・トレードとシングル契約し、89年1月に「can`t be sure」でデビューするがそれがいきなりインディ・チャート第1位を1ヶ月以上も独占。
90年の1月にはそのままラフ・トレードから1stアルバム「reading, writing and arithmetic(邦題・天使のささやき)」をリリースする。
しかしその後、なんとラフ・トレードが91年に破産し、2000年に再開するまで活動休止となった影響で、サンデイズも発表するつもりで様子を見ていた2ndアルバムをラフ・トレードから出せず、自らラフ・トレードとの契約を破棄。その後メジャーのEMI(アメリカではゲフィンからリリース)と契約を結ぶが、EMIからは「制作内容に全く関与しない」、つまりバンドの考えるやり方で自由にアルバム制作をできるというお墨付きの契約だったようだ。こうして、1992年に2ndアルバム「blind(邦題・硝子色の物語)」が完成。そこから3rdまでは5年の年月を要し、1997年に実質最後のアルバムとなる「Static & Silence(スタティック&サイレンス)」をリリース。EMIとは5枚のアルバム契約があったはずだが、3枚未消化のまますでに25年以上が過ぎてしまった。今後彼らの新譜を聴くことは、本当にないのだろうか。
オリジナル・アルバム
1 「reading, writing and arithmetic(邦題・天使のささやき)」
1990年 ROUGH TRADE RECORDS(UK) ビクター(JP)
2 「blind(邦題・硝子色の物語)」
1992年 emi records 東芝EMI(JP)
3 「Static & Silence(スタティック&サイレンス)」
1997年 emi records 東芝EMI(JP)
アルバム紹介
1 「reading, writing and arithmetic」(1990)
ROUGH TRADE RECORDS(UK) ビクター(JP)
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skin & bones
here`s where the story ends
can`t be sure
I won
hideous towns
you`re not the only one I know
a certain someone
I kicked a boy
my finest hour
joy
don`t tell your mother *
* 国内盤ボーナストラック
サンデイズ記念すべき1stアルバム。
インディーズチャート1位を1ヶ月独占した「can`t be sure」や「here`s where the story ends」「you`re not the only one I know」など、サンデイズの真骨頂とも言えるハリエットの透き通ったハイトーンでキュートな歌声とデヴィッドの美しいギターアルペジオが素晴らしいアルバム。
2 「blind」(1992)
emi records 東芝EMI(JP)
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I feel
goodbye
life & soul
more
on earth
god made me
love
what do you think?
24 hours
blood on my hands
medicine
wild horses *
* 国内盤ボーナストラック
メジャーEMIへ移籍後第1弾、2ndアルバム。
全体的に3枚のアルバムの中で一番内向的と言われているが、サンデイズらしい爽やかで涼し気なサウンドは継続していてとても良い。
自分はこのアルバムでサンデイズを知ったので思い入れも強い。ライナーノーツでは「ご愛嬌」と書かれていたボーナストラックの「ワイルド・ホーセズ」(ローリング・ストーンズ)は、自分にとって”ご愛嬌”どころか、サンデイズの入口となった曲。このカヴァーは大変秀逸だと思っている。
その他「goodbye」「love」など名曲が多い。
3 「Static & Silence」(1997)
1997年 emi records 東芝EMI(JP)
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Summertime
Homeward
Folk Song
She
When I'm Thinkig About You
I Can't Wait
Cry
Another Flavour
Leave This City
Your Eyes
So Much
Monochrome
through the dark*
gone*
nothing sweet*
* 国内盤ボーナストラック
2ndから5年もの年月が空いた後にリリースされた3rdアルバム。
悪く言えば代わり映えしない、良く言えばサンデイズらしい爽やかで軽やか、だけれどどこか切ないサウンド。2ndからこの3rdアルバムまでの間に、ハリエットとデイヴィッドの間に子供が生まれた、と確か記憶しているが、その後の新譜がリリースされなくなってはや25年。それでもサンデイズの音は色褪せずに残した3枚のアルバムは聴き継がれているだろう。
あえてこの時代にCDやレコードで音楽を聴くということ。
僕はこれらをCDやレコードで聴く。
フィジカルで音楽を聴く良さには、パッケージで持つ喜びや、歌詞カード、さらに国内盤だとライナーノーツ付きなどがある。
ライナーノーツではバンドの詳しい情報や、曲の解説などがあり、アルバムをより詳しく知る事ができる。
輸入盤でも、歌詞カードやアルバムのプロデューサー、参加ミュージシャン、演奏者を知る事ができる場合もある。やっぱりフィジカルで音楽を聴くことは楽しい!