煙突日記3 池袋と白塔
池袋が好きだ。
新宿渋谷に並べられて副都心三大都市のような扱いをされることもあるが、逆立ちをしても勝てないような、永遠の三番手。いや、三番手にすら位置しないかもしれない。パッとしないし汚いし、そこまで遊べる場所もない。全然若々しくもない。どこか哀愁漂う街である。
貶しているのでは無く、褒めているのだ。そんな侘しい街、池袋を私は愛している。そして、その侘しさを形作る一端を担っているのが池袋清掃工場の煙突である。
調べてみるとどうやら、日本一高い清掃工場の煙突らしい。たしかに、ビル群に紛れても池袋の至る所で目にすることが出来る。生活感漂う都会の中で、無機質な真っ白の塔が聳えている光景はどことなく不気味で、池袋の街並みをより一層不穏にさせる。
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