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名前

4年生の時、習字の授業のお題で出たのは好きな漢字。
私が選んだのは「睦」。

睦美、睦まじく美しくと想いを込めてつけられた自分の名前から。

「睦」まじく、という普段あまり使わない言葉が幼い自分にとってちょっと誇らしかったりして、ずっと潜在的に自分の頭の片隅にいて、自分のあり方に影響を与えてきたと思われる漢字。

一方で、「美」というのはあまりしっくり来てなくて。女の子だからっていう修飾がくっついてくるのも、左右対称の字体が美を現すという小学校で先生から聞いた話も好きではなかった。(人間味のあるでこぼこ感が好み。)

でも、25歳になった私の中で、「美」は自分の中でじっくりと育んでいきたいテーマになっている。
いろんな世界に触れながら、自分なりの審美眼を見つめ、ゆっくりと磨き、更新していく。そんな生き方のイメージを持てた時から、「睦」と「美」、あわせてより自分の名前が好きになった。

一つ。
自分を満たす「美」なりなんなりを見い出して、それがどんどんと自分の中で確信めいたものになってきても、それはあくまで自身を豊かにするものであり、他者を否定したり攻撃したりするためのものになってはいけないと思うのです。

むしろ自分が満たされることで他者のそれを尊重できる心が生まれてほしいし、常に育んでいきたいな、と。

自分が惹かれる「美」に耳を傾けながら、周囲に耳を澄まし、共に「睦」まじくある。自分の名前の解釈を新たに見出すことで、両親が込めてくれた想いを受け取り、そしてそれを越えていくような感覚を覚えました。

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