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抑圧、占領、幻想の日常


ガザの停戦がとうとう現実となった先週は、初めこそは高揚感、でも一日立たずして、ちゃんと合意が守られ恒久的なものなるのかという不安でいっぱいになり、今も変わらず、不安定な感情。


そして、ガザの停戦により世界中が安堵の空気になる一方、ヨルダン川西岸地区でのイスラエル軍による爆撃や軍事オペレーション、入植者による暴力、検問所の閉鎖やアクセス制限が強化され、パレスチナ人への抑圧、占領、取り巻く情勢は悪化しています。


命、土地、尊厳が踏みにじられ、容易に奪われている世界は、ガザで停戦しても変わってない。むしろ、世界からのスポットライトが外れている間にどんどんエスカレートしています。


検問所
このような小さな検問所がいくつもあり、
パレスチナ人の移動を阻む


ヨルダン川西岸地区南部にあるヘブロンの南部に位置する、アッサムア(السموع)という地区を訪れた日。

2023年10月7日以降、街を取り囲む検問所が増え、他の村から切り離され、孤立した町の経済は悪化し、失業率、貧困率は落ち込む一途。街中を走っている時にも、閉まってシャッターがおりたお店が目立ちました。

人々を取り巻く重い現状と閉塞感に、うまく息が吸えなくなった帰りの車の窓から、遠く目に入ってきたのは、イスラエルが今なお拡大している入植地の町。

小高い土地に、オレンジの屋根の住宅が立ち並び、緑豊かに整備された入植地は、わずか数kmしか離れていない西岸地区の日常からあまりにも掛け離れていて、ふと、幻想の日常だと思った。

入植地
ぐるっと囲む壁がよく見える



分離壁に象徴されるように、自国の自衛権の名の元、隣人の人権や尊厳や時には生命さえも踏みにじりながら、彼らが守ろうとするイスラエルの平和。


ついさっきまで訪れていた西岸地区の村を思い出しながら、今遠くにみえる美しい入植地を見て、このイスラエルの平和は、幻想のバブルの中にあるんだと思わざるをえなかった。



バブルはいつか崩壊します。
幻想だから、いつまでも永遠には存在できない。


そして、日本人のわたしたちも、世界中の人々にとっても、同じ。


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