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疲労の蓄積エッフェル塔並み

運動不足、糖質と脂質が中心の食事、食べ過ぎ、飲み過ぎ、布団に入る直前まで飲み食い、犯罪ドキュメンタリーを観ながら就寝……。気がつけば限界に達したときの王道モードで生活していた。こんな調子で暮らしていれば当然疲れが取れない。疲労感をふっ飛ばしたいがために刺激を求めてさらに体に負担をかけるという負のスパイラルに陥っている。

リンゴ酢が疲労回復に効くと聞いたから、早速スーパーで買ってきて、麦焼酎の炭酸割りに加えて飲んでみたら、これがとんでもなく美味しい。毎日がぶがぶ飲んでしまっている。昔から体が酸っぱいものを欲するのは疲労のサインというようなことを言われているが、酸味がいつも以上に美味しく感じられる。

疲れのせいでいつにもまして頭が冴えない。理性が働いていない感じがする。とはいえ、コンビニで菓子パンを手に取り、袋を破いてその場で食べてしまったり、我慢しきれず駅のホームで放尿したり、人混みに向かって「人がたくさんいて不快!」と叫んだりしているわけではないから、理性が働いていないというのは言い過ぎだと思う。

引っ込み思案で、口数も少なく、挨拶は曖昧だし、人の目を見て喋らないし、感情表現も乏しく、いつも元気がないので、偉い人からお前には社会性が足りていないと叱られることがある。誠に仰る通りだと思う。他方、行列があれば順番を守るし、飲食店を出るときにはごちそうさまでしたと言うし、店員に小銭を投げつけたりはしないし、最低限の社会性は保っているつもりである。だから、社会性の欠如を指摘されると釈然としない。むしろよくやっているほうではないか、と自己評価をしたい誘惑に駆られる。しかし、どうも世間では最低限のルールを守ることを社会性とは呼ばないようだ。破ると怒られるが守っても褒められない。それがルールというもの。

20代の頃、横浜で開催されている某ビールフェスで短期バイトをしたことがあった。かなりの人出があり、ピーク時は大量の客を捌ききれなくなり、提供するまでにかなりの時間待たせてしまうことになった。そのときブースに立って接客していたので、殺気立った客の相手をする羽目になった。ある客は注文の品を渡したときにこちらの目を見据え「バカ」と吐き捨てて去っていった。小学生ではない。言ってきたのは五十がらみの男である。腹立ち紛れに末端のアルバイトに向かって「バカ」と罵らずにはいられなかったこの中年男性の不器用な感情表現に憐憫の情が湧いた。

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日記と夢日記

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