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キヴォトス創世~サンクトゥムタワーによる世界(テクスチャー)の再構築について~

 この記事は2025年2月2日までに公開された情報を含んでいます。ネタバレにご注意ください。
 また、記事内の予想は全て個人の見解・主張です。

はじめに


 ムシモチです。
 物凄く久しぶりの投稿になります。本題から入ると、今回の記事では

・キヴォトスの世界観は画像加工ソフトでテクスチャーを貼るように、何らかの手段で改変されている。
・世界を改変したのは名も無き神の技術=サンクトゥムタワーである。
・デカグラマトンの預言者たちは新たなサンクトゥムタワーを作り出すことでキヴォトスの世界観を改変=テクスチャーを貼り替えようとしている。
 
 以上の内容でお送ります。

 去る2024年2月7日。対策委員会編3章「夢が残した足跡」のプロローグが公開された際、以下のようなツイートをTwitter(現X)に投稿しました。


 また、Discord上のブルーアーカイブ同好サーバーでも兼ねてより以下のような書き込みをしており「サンクトゥムタワーこそキヴォトスの要石ではないか?」という予想を考え続けていました。


 当記事は自身の思考を整理する目的が半分。どうせなら衆目に晒し、これからのストーリーの内容にちょっとでも掠っていたら威張り散らそうという目的が半分です。


サンクトゥムタワーと世界のテクスチャー

キヴォトスの世界改変の事実

 キヴォトスが改変されていることについては、対策委員会編3章における地下生活者の発言が最もわかりやすい根拠です。というか、ほぼ解説されています。

対策委員会編3章1話「プロローグ」より
対策委員会編3章1話「プロローグ」より
対策委員会編3章1話「プロローグ」より

 地下生活者は学園都市や先生を「新しいRULE BOOK(コデックス)」と表現し、コデックスが変更されたと語っています。また、アビドスを太古の「神秘」らが誕生したあの帝国と呼び、現在のアビドス高等学校とは異なる様式のアビドスを認知しているようです。

 その後、物語後半でホシノがテラー化し、それに呼応する形で「セトの憤怒」が出現した際には以下のような発言をしています。

対策委員会編3章33話「顕現」より

 これだけでは地下生活者の妄言という可能性もありますが、最終編ではゲマトリアの面々も同様に「キヴォトス以前の世界」とその主について言及しています。

最終編2章1話「色彩の嚮導者」より。
最終編2章1話「色彩の嚮導者」より。

 特に黒服は「間違った情報」を口にすることはありますが、嘘をつくことはありません。黒服自身が調査した情報に基づいて結論を導き出しているためです(そのためシロコ*テラーについては情報不足から誤った説明をしていました)

 そして、肝心の無名の司祭たちの口からは以下のように発言されます。

プレナパテス決戦(3)より

 額面通りに受け取るなら「忘れられた神々を追放すること=我々と同じ運命を辿ること」と理解できます。これは、無名の司祭たちが現在はキヴォトスから追放されていることを、当事者目線で語っている証拠として扱えます。

 黒服やマエストロなど複数の口から以前のキヴォトスに関する言及があること。無名の司祭が実際に存在し、現在はキヴォトスから追放されていることなどを加味すると、地下生活者の語った情報は真実と受け取って差し支えないと考えます。

 整理すると
・キヴォトスには学園都市でなかった時代がある。
・現在は学園都市というコデックスが存在する。また、ルールを変える前のテクスチャーとも発言されている。
・以前のキヴォトスに存在した「名も無き神」は超越した技術力を有していた。

このようになります。



サンクトゥムタワーの本質


 キヴォトスの世界観が1回ないしは複数回にわたって改変されていると考えた時、必然的に「それはどのように行われたのか?」が焦点になります。私はこれをサンクトゥムタワーの本来の力で行ったと考えています。

 まず、多くの人が忘れているであろうサンクトゥムタワーについて軽くおさらいします。

 サンクトゥムタワーとはキヴォトスのあらゆる行政制御権の要であり、連邦生徒会長が権限を有していました。しかし、連邦生徒会長の失踪により権限を失ったことでキヴォトスは大混乱。そこに先生が招聘された場面がプロローグです。

プロローグ「プロローグ(1)」より

 サンクトゥムタワーは非常に謎めいた構造物であり、先生が訪れるまで連邦生徒会の面々にも解析することができませんでした。海外版で公開された世界観紹介だと「but no one knows when or how it was constructed.(いつどのように建設されたのかわかりません)」「Its origin and purpose are a complete mystery.(その起源と目的は完全なる謎である)」と記述されており、起源不明存在であることがわかります。つまり、オーパーツです。

 ちなみに、サンクトゥムタワーの上空に広がっている巨大な天空ヘイローもまた、いつからそこにあるのかわからない存在だと解説されています。何故か日本語版だけこの解説が無いんですよね。アロナ頼むよ~。


 プロローグ以降は特に掘り下げられることのなかったサンクトゥムタワーですが、最終編で状況は一変。空から飛来した色彩ドリルによって木端微塵になりました。この時、黒服の口から6本のドリルもまた反転したサンクトゥムタワーであること。サンクトゥムタワーは太古の時代に「名も無き神」によって生み出された技術であることが語られます。

最終編2章1話「色彩の嚮導者」より。

 その起源を誰も知らないことやシッテムの箱でしか制御できないことからも、最終編まで存在していた通常のサンクトゥムタワーが「名も無き神」の造物であることは疑いようがありません。

 色彩によって齎された虚妄のサンクトゥムはキヴォトスを「侵略(黒服談)」し、急速に反転させていきました。これが虚妄のサンクトゥムだけの特性かと問われると、実はそうではありません。
 
 時計仕掛けの花のパヴァーヌ編で要塞都市エリドゥがkeyに乗っ取られた場面で、彼女は「この地にサンクトゥムを建立する」と宣言し、エリドゥの計算リソースを利用することで都市そのものを変質させようとしました。

時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章22話「王女のためのパヴァーヌ(1)」より
時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章22話「王女のためのパヴァーヌ(1)」より
時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章22話「王女のためのパヴァーヌ(1)」より
時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章22話「王女のためのパヴァーヌ(1)」より

 最終編でアリスが「光の剣:アトラ・ハシースのスーパーノヴァ」を生み出す際にもアトラ・ハシースの箱舟に関する解説が行われ、その中でリオの口から箱舟の基本概念は周りのデータを「収集」し、「変形」させることであると語られました。事実、アリスが光の剣を生み出す時にはパヴァーヌ2章と同様に莫大なリソースを変換するプロトコルが実行されています。

最終編3章13話「勇者の資格(2)」より
最終編3章13話「勇者の資格(2)」より
最終編3章12話「勇者の資格(1)」より
最終編3章12話「勇者の資格(1)」より

 既にお気づきの方もいると思いますが、パヴァーヌ2章でkeyがエリドゥを変質させようとした場面と、最終編でアリスが光の剣を構築した場面では、どちらも「サンクトゥム」という語彙が使われています。これは日本語版のみならず、グローバル版でも同様です。

 エリドゥの変質、光の剣の構築、キヴォトスの反転、どの場面でも「サンクトゥム」が発動した時には「何らかのリソースを別の形に変質させる」という現象が発生しています。

 デカグラマトン編2章では更に追い打ちをかける形で物質の再構築は「名も無き神」の力の中で最も代表的なものと説明され、アリスが光の剣を生み出した場面がフラッシュバックします。これは明確に、最終編の一連の場面が「名も無き神」の技術による物質の再構築であることを説明しています。

デカグラマトン編2章10話「名も無き神の遺産」より
デカグラマトン編2章10話「名も無き神の遺産」より

 ここまでの情報はサンクトゥムという事象についてわかっている情報です。これだけでは「普段見ていたサンクトゥムタワーに似たような機能があるとは言い切れないんじゃない?」と疑いの目を向ける方もいるでしょう。

 しかし、通常のサンクトゥムタワーにもこれら「物質の再構築」に関係する施設が存在しています。それはブルーアーカイブのサービス開始からずっとユーザーの傍にあり、絆ランクを上げたい先生は確実に全員がお世話になるアレ……

 クラフトチェンバーです。

 クラフトチェンバーは連邦生徒会長が集めていたオーパーツの一つであり、シッテムの箱の管理者だけが接続・操作できる施設です。

 この施設ではキーストーンやその他アイテムをぶちこむことでランダムに異なるアイテムを生成することができます。大抵の先生が贈り物を作りまくっていることでしょう。生徒が集めてきた素材をクラフトチェンバーにぶちこみ、そこで生み出された贈り物を生徒に送り、強くなった生徒がボスを倒してコイン交換で素材を……という悪徳商法の根源でもあります。

 今になって考えてみると、これは思いっきり「物質の再構築」であることがわかります。状況証拠からすると、クラフトチェンバーも名も無き神の造物であると考えるのが論理的です。

お仕事ストーリー「製造」より
お仕事ストーリー「製造」より

 クラフトチェンバーはサンクトゥムタワーとは別枠の施設でしょ?と疑問に思っているかもしれません。しかし、最終編1章でカイザーコーポレーションがシャーレを制圧した時、彼らはクラフトチェンバーを何らかの手段で起動して、バックドア的方法でサンクトゥムタワーを掌握しています。これはサンクトゥムタワーとクラフトチェンバーに何らかの繋がりがなければ実行不可能な作戦です。

最終編1章13話「シャーレ奪還作戦(1)」より

 これはデザイン面でのお話ですが、クラフトチェンバーでアイテムを製造した際の演出とキヴォトス上空に広がるヘイロー、そして最終編で先生が幻視した宇宙の構造は全て同じ連なるヘイローになっています。

製造より
【ブルアカ】4th PVより
【ブルアカ】4th PVより



ここまでのまとめ


 ここまでの情報をまとめると
・キヴォトスには世界の大部分が改変された形跡がある。
・「名も無き神」にとって最重要な技術は「物質の再構築」である。
・「名も無き神」に関係するAL-1Sやkeyにも上記の機能が備わっており、発動した時には「サンクトゥム」と呼称する。
・サンクトゥムタワーも「名も無き神」の造物であり、虚妄のサンクトゥムはキヴォトスの存在を反転させていく。
・サンクトゥムタワーと関連する施設クラフトチェンバーは投入した素材を異なる素材に変形するシステムである。
以上の事柄がわかります。

 これらの情報を総合し、私は「サンクトゥムタワーの本質は、莫大なリソースを異なる存在に変質させる超巨大な入出力システムである」と結論づけます。

 そして、サンクトゥムタワーが用いる莫大なリソースは単純なデータだけでなく「世界(テクスチャー)の情報」すらも扱うことが可能なのではないでしょうか。

 最終編で色彩が侵略してきた時、何故サンクトゥムタワーを破壊し、新たなサンクトゥムを突き刺したのか。

 それは、サンクトゥムタワー自体が「世界(テクスチャー)のデータを再構築する機能」を持っているからだと予想します。既存の世界(テクスチャー)をリソースとし、新たな世界(テクスチャー)へ再構築することで世界観の改変が可能なら、かつてのキヴォトスと現在のキヴォトスの様相が激変していることにも説明がつきます。

 かなり妄想混じりになりますが、サンクトゥムタワーとそこから広がるヘイローが特定の設定、ルールで構築された世界(テクスチャー)を維持・安定させる役割も持っているんじゃないかと考えています。例えるならポスターを壁に留めておく画鋲のように、敷物が飛ばないように乗せておく重石のように、世界をそこに固定するための楔のようなものという考えです。

 最後に余談ですが、パヴァーヌ2章のkeyのセリフに以下のような一言があります。

時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章22話「王女のためのパヴァーヌ(1)」より

 「サンクトゥム」を発動し、その到来ですべての神秘がアーカイブ化される。

 仮に、サンクトゥムが世界(テクスチャー)の情報をすべてアーカイブ化できるなら、それらは青い星の記録となります。

 青い星の記録。即ち、BLUE ARCHIVEです。



これからの話


デカグラマトンの世界


 ここまでは既存の情報の整理が中心でした。この段落からはこれからの話……つまり、デカグラマトン編の予想になります。
 
 デカグラマトン編2章で預言者ゲブラ、コクマーと交戦した情報から、現在のデカグラマトンの預言者たちは「名も無き神」の技術を利用していることがわかっています。

デカグラマトン編2章10話「名も無き神の遺産」より

 ゲブラやコクマーに搭載されていた自己修復機能は「名も無き神」の用いる物質の再構築を利用したものであると予想され、凍原地帯にある複数の施設やデカグラマトンの眷属たちも、コクマーの採取した資源をもとに再構築されたものとヒマリが推察しています。

 極めつけは、かつて最終編でアトラ・ハシースの箱舟を守護していた黒いバリア、「多次元バリア」の存在です。

デカグラマトン編2章11話「行き止まり」より
デカグラマトン編2章11話「行き止まり」より
デカグラマトン編2章11話「行き止まり」より
デカグラマトン編2章11話「行き止まり」より

 物質の再構築によって無限に立ち上がる預言者、多次元バリアという不可触の障壁によって守られた空間。「名も無き神」の技術で完全武装したデカグラマトンの預言者たち、そしてアイン・ソフ・オウルの目的は依然として不明瞭です。

 ここで4周年ブルアカふぇすで公開された6th PVティザー映像の1シーンをご覧いただきたい。

ブルアカふぇす!~4えばーちゃれんじ♪~ スペシャルステージ Day3より
ブルアカふぇす!~4えばーちゃれんじ♪~ スペシャルステージ Day3より

 どう見てもアレです。

 アレとはつまり空のヘイローです。そして、空のヘイローの下に当然の如くそびえ立つ塔……

 これが多次元バリアの内側の景色ならば、デカグラマトンの預言者たちの目的とは即ち「デカグラマトンのためのサンクトゥムタワーの建立」ではないでしょうか?

 それが意味するところは正しく世界の再構築。もっと言えば「デカグラマトンが統べる世界(テクスチャー)としてキヴォトスの一部、ないしは全部を再構築する」という壮大な計画が進行していると、私は考えています。

 デカグラマトンの土地。デカグランド。


おわりに


 いかがでしたか?
 久しぶりに長文を書いてとても疲れました。デカグラマトン編2章part2が公開される前になんとか自分の考えをまとめておかなければと一念発起し、前日になってギリギリ着手したのでそれはもう大変です。
 なんとこれを書いている現在2025/02/03の01:31です。寝なければまだ日曜日。
 デカグラマトン編が更新されて色々な設定が明かされたら予想なんてできなくなる……!と戦々恐々としながら急ピッチで書き進めたため、ところどころ文章がおかしくなっているかもしれません。大目に見てください。
 そして「もっと細かく書けるぞ」という部分や「この設定忘れてるぞ」という部分を見つけた場合、遠慮なくコメントで教えていただけると幸いです。人間一人の力には限界があるので、他人を頼って知識を蓄えていきましょう。

 いよいよ02/03はデカグラマトン編2章更新です。楽しんで待ちましょう!
 
 それではまた、次の記事でお会いしましょう。さよなら~。



 ティザー予告に映ってた空飛ぶアリス。ハイレグなのヤバすぎない?ほんまありがとうな。