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走らない勇気  【ランニング日記2/3(月)〜2/7(金)】

2/3(月)

週末、風邪で寝込んでいたのだけれど、ゆっくりした分、走れそうな気がする。なんとか走るか…と、思っていたら、朝からトラブル発生。

いろいろやっているうちに、走る時間がなくなってしまう。致し方ない、思い通りにいかないこと、というのは、人生にいくらでもある。なんといっても私は私一人で生きているわけではないから。

ホテルのラウンジにこもって仕事をすることに切り替え、帰りにサウナへ寄って帰る。すると息子から、「今朝はありがとう」といったメールが届く。思わずうるっときてしまう。

予定通りに行く日も行かない日も、思い通りに行く日も行かない日も、まあいいこともあるからと、のらりくらりと生きてくのがたぶん、一番だ。

2/4(火)

ありえないくらいにしんどい。またもや脇腹が痛くて(最近多い、このパターン)いつもなら遅くても3キロ時点くらいでおさまるのが、結局最後までずっと続いていた。

10キロ走る、と決めた日に、走り始めてから距離を減らす、ということはまあないのだけれど、今日は本当に、5キロにしておこうか、と、心底思った。

金曜日の夜、微熱が出て、土日はほぼ家に引きこもっていた。予定している旅行のスケジュールを全く決めていなかったので、これを機に、と、ひたすらスケジュールちょうと地図とにらめっこをしていた。

で、この歳になると風邪の治りが本当に遅い。熱はあっと言う間に下がるのだけれど、喉の痛みと咳が治らない。それをおして、今日は走ることにしたわけだけれど、なんというか体調の悪さが全身を駆け巡るようなランニングだった。もう身体のあらゆる所が、「不調だ」と言っていた。身体は嘘をつかない。

でもとにかく、なだめすかしてなんとか10キロ走る。もう、無理やり、足を交互に出すといった具合だ。久々にタイムはキロ6分1秒のノロノロ。意識してゆっくり、ではなく、もうこれ以上は無理!というキロ6分である。かなりへろへろであった。

まあでも、痛みとともに走る、というのは、人生でもあるわけだしな、と、わかったようなわからないようなことを思う。健康第一だ。

2/5(水)

すさまじく体調が悪い。朝起きた瞬間から喉が痛い。しかしもはや実験みたいな感じで、走る。このなんらかの不調を抱えながら走ったらどうなるか、みたいなものを確かめようとしている。もう、よくわからない。

とにかくゆっくり走る、今日は朝イチの打ち合わせと、夕方に大事な取材が入っている。体調を崩すわけにはいかない、でも走らなくちゃいけない。なんのために?いや、走るのに理由なんていらない。この「ルーティン」を、ただ紡いでゆくだけなのだ。

昨日よりさらにゆっくりのペースで5キロ。まあ今週は、こんな感じで必死に走っていくしかないのかもしれない。

2/6(木)

昨日の夜、原稿を書いていたら再び寒気を感じ、お薬を飲んでお布団にくるまって寝た。風邪をひくといちいち心細くなるもので、「風邪 ぶりかえし」とか「風邪 長引く」とかをGoogleで検索していた。

とにかく安静に!という、きっと6歳のむすめでも知っているような対処法を読みながら、「走っている場合ではなかったか…」と、眠りにつく。

「走らない勇気」というのも、もしかしたら必要なのかもしれない。朝、むすめを送りに外に出たらよく晴れて、空気はカラッと気持ちいい。走るには良い日だな、と、思うのだけれど、今日は「走らない勇気」を持とう、と思う。

こんなに毎日しんどいし、こんなに毎日走りたくない。でもなんだかんだ、走るのが好きなのかもしれない。そうでないと、こんなに走り続けることはできないのかもしれない。

「走らない」となると、走りたくなる。もちろん、「このまま走らなくなったらどうしよう」、という不安もある。なんせ私は自分を全く信用していないから。例えば一週間走らなければ、もう一生走れなくなるような気がしている。

でも、競泳の入江くんに取材した時も言っていた。「泳げない時期が少しあったことが逆に良かったのだと思います」と。(詳しくはぜひアプリで!)

怪我をした野球選手のことを思う。一番辛いのは、このまま野球ができなくなるんじゃないかという不安と戦うことなのだろうな、と。

でもきっと、人生に無駄なことはないから。休むべき時にはしっかり休んで、また次から頑張ればいいのだ。ゆっくり、焦らずに。

…まあ、私はただの風邪ですが。

2/7(金)

沖縄に来ています。息子の学校が終わってからの出発だったので、走る時間は普通にあった。が、昨今(というか昨日から)の「走らない勇気」を持ち、走らないことにしてみる。なんせ昨日の夜もまた、体調が極悪だったのだ。

走らない、となると、走りたいな、と思う。「走りたい」というよりは「走らなきゃ」という切迫感みたいなもの。別に誰に「走れ」と言われたわけでもないのだけれど。

だけどまあ、「走らない」その日の気持ちを知ることもまた、大事なことなのかもしれない。投げたくても投げられない、奥川くんの気持ちだってわかるかもしれない。奥川くんは今、私と同じ気持ちかもしれない(ちがう)。

走らない時間に、走りたい気持ちの貯金を蓄えておくといいのかもしれないなあ、と、なんとなく思う。

健康第一、沖縄で一度は走りたいなあ。

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虫明 麻衣(Mai Mushiake)
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