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ノムさんの言葉を思い出しながら走る 【ランニング日記 1/14(火)〜1/17(金)】

1/14(火)

三連休で三日走らなかったので、また日本で一番走りたくないのは私だなという確信を持つ。とかく走りたくない。

でもそこをなんとか、と、自分をなだめすかし、走る。走ってみると天気は良く、寒すぎず、もちろん暑くなく、なかなか良いペースで走ることができた。

走り始め、またスピードが出そうになる。それをぐっとこらえ、ペースを維持する。6キロあたりに心地よいなと思えると、なんだか調子良く終えられる気がする。

タイムも悪くない。あー走りたくない、という日に限って気持ちよく走れたりするから不思議だ。まぁ、あー走りたい、なんて日はほぼ皆無と言えるわけだけれど。

1/15(水)

昨日、つい遅くまでパソコン開いてぽつぽつ仕事をしてしまい、まんまと寝坊した。朝イチでPTA会議があるため、走るのは厳しいか…もしくは夜にするか…と、思ったのだけれど、ここで走らないとまたずるずる走らなくなる気がして、重い腰をあげる。

5キロの日だけど、5キロ走るとPTA会議の時間に間に合わない。というわけで、「4キロを、なるべく速く走る」をテーマに据える。なんせ奥川くんは12分走で3375mも走ったわけだし。

目標はキロ5分15秒、できれば5分1桁台のペースで走ろう…と、思っていたのだけれど、走り終わってみればキロ5分17秒ペース。全然だめだ。奥川くんには程遠い。遠いにも程がある。これじゃドラフトで選ばれない。

まあでも久々に「スピード」を目標にして走って、なんというかちょっと気分転換のようにもなった。疲れたけど、少し楽しかった。

基本は「長く」が(距離も、生涯走っていられる年数も)目標なのだけれど、たまには「速く」にしてみるのもいいかもしれない。

もっとも、「速く」にはもちろん限界があるわけだけれど。

のむさんは著書『野球論集成』の中でこう言っている。

「速い球を投げられるのは、天賦の才であって、練習にも限界がある。目標設定にはなりえない。対して制球力は、練習をすればするほど、経験を積めば積むほど、向上する」
(野村克也 『野球論集成』)

これは私の中でいつも、「目標設定」の指針になっている。なんでもかんでも「努力」によって解決できるわけじゃない。「できないこと」をしっかり見極めることだって必要なのだ。その上で、「できること」を模索していくことが、きっと大切。

1/16(木)

10キロ走る日。今日も元気に気が重い。しかしこの日記が「いかに私が毎日走りたくないか」の記録みたいになってきたので、とにかくまあ今日は、楽しみな打ち合わせのことを考えながら走る。

昨日は「4キロを速く」とテーマを定めたわけだけれど、考えてみると、5キロ以下を走る日であれば「速く」とあらかじめ目標を立てておかないと速く走りきることができない。一方、10キロの日は、あらかじめ「速く」なんて目標はどうしても立てられない、と、走りながら気づく。

「10キロを速く走ろう!」なんて、レースの時以外考えない。そんなテンションは、到底持てない。なんせ10キロも走りたくないのだから。(また「走りたくない日記」になっている)

「10キロを速く」というテーマはいつも、走りながら浮かんでくる。つまり、走りながら、「あ、今日は行けそうだな」と思った時、そのままスピードに乗せる。まさに、今日がそんな感じだった。

だいたい3キロあたりでスピードが落ちないと、このまま落とさないでやってみよう、と、思える。

今日はキロ5分37秒。めちゃくちゃ速いわけではないけれど、だいたいキロ5分45秒〜55秒で走る身としては、速い方に入る。

昨日、「速く」をテーマに走ってみたから速く走りやすかったのか、そんなにきつくもなく走りきることができた。

日々こんな感じで走ることができればいいのだけれど、それが、そうもいかないのが、この「走りたくない日記」を書き続ける人の日常である。

1/17(金)

さっむい。今日も元気に走りたくない。しかし5キロの日なので、まあマイペースに気持ち良く走ろう、と、決めて走る。

が、折り返し地点あたりで脇腹が痛くなる。いやいや朝から何にも食べてないのになんでやねん、と、身体に突っ込む。

しかしランニングにおける私の最大の目標は「歩かない」なので、とかく痛みに耐えながら走る。もはや歩くようなペースだとしても一応、走る。

昨日、「速く走る」という目標を立てるとき、5キロ以下の時はあらかじめ「速く」と決めて走る、10キロのときは走りながら、身体と相談しながら今日は速く走ろうと決める、ということに気づいたわけだけれど、じゃあ自分がどちらが向いているかというと、断然後者だな、と、思う。

そもそも「速く」よりも「長く」の方が向いているわけだけれど、何をするにも、あらかじめ高い目標を立てる、というよりは、走りながらこうしていこう、と、方向を決める方が向いている。そうしてゆっくりでも時間がかかっても、少しずつ前進していければ良いな、と、思う。


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虫明 麻衣(Mai Mushiake)
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