手に握る汗が幻だと気付いた話 【5/8中日戦△】
野球観終わると、ほんとねこみたいになる。
いや確かにわたしは前回の広島戦で、追いついては勝ち越されの接戦をして延長戦で執念のサヨナラ勝ちという試合でめちゃくちゃ感動したことを書きましたええ。
だからって、別に、毎回毎回おんなじように追いつき追い越されの接戦をしてほしいわけではないのですええ。毎日そんなハラハラさせていただかなくて結構なのですええ。
なぜか今日もまた、先制したと思ったら追いつかれ(まあ1点とか2点は背点差じゃなくて誤差だから・・)、勝ち越したと思ったらまた追いつかれという繰り返しで、もうどっと疲れていた。そもそもこないだの試合だって9回裏までに相当疲れることの連続で、そこからの延長戦だってさっぱり息をつく暇がなく、終わった時にはぐっったりだったのだから。こんなん毎日みてたら体が持たない。
・・・と、思いながら、9回裏を見ていた。すでに同点に追いつかれていてサヨナラのピンチ。まさかの、1アウト満塁。つらい。
まあ、勝率も、打率も、なんだって10割ということは絶対にない。ずっと勝つこともずっと打つこともない。毎日毎日荒木神が降臨することもない。サヨナラ勝ちする日もあれば、サヨナラ負けする日もある。物事には、裏と表がある。うむ・・・と、思いながら、守護神(にいつの間にかなっていた)いしやマンゴーサワー・・じゃなくて石山を見ていた。
雨がどんどんきつくなってきたからか、石山の投げるボールがストライクゾーンにボールが入らない。これはサヨナラだ致し方ない・・
と、思っていたらなんと。2者連続でストライクアウト。まじですかかみさまですかいしやまさま。
ここが多分今日、一番「執念」を見たところだと思う。そして間違いなく、一番ハラハラしたところ。
そのまま試合は延長戦、雨はさらに強まり、西浦→バレンティンの2者連続フォアボール。ここもまだ手に汗握っていた。このままぐっちに打席が回ったらタイムリー出るかもしれないぞ・・と。相当集中していた。
ところが。雨が強く試合は一旦ストップになり、地方球場のおじいちゃんたちが、荒れたグラウンドに、まったく意味のなさそうな量の砂をまき始める。焼き石に水ではなく、雨の福井県営球場に砂、という言葉の意味を知る。
あれだけハラハラ緊迫していた気持ちは、グラウンド整備のおじいちゃんを見ながら、このまま試合が終わるのかな・・という思いが浮かんだ瞬間、ひゅーーーーーーーーっとしぼんでいった。ほんとに、風船がしぼむような音が聞こえた気がした。緊張感や集中力は、こんなにいとも簡単に切れてゆくものなのかと、私はちょっとびっくりした。
普段手に握る汗は、もしかしたらなんか、幻なのかもしれない。まあそりゃそうだ。私が手に汗握ろうが正座してぐっちのヒットを祈ろうが、テレビの向こうで行われている試合には1ミリも影響しない。その緊迫感は、なんというか、幻といえば幻だ。こんなに一瞬で現実に引き戻されるくらいのものだったのだ。本当のところは。
でも、まあある意味それは健康的なのかもしれない。現実には自分に全くもって関係のないものに振り回されたとしても、おそらく根本的に追い詰められたりすることは・・・ない(はず。)知らんけど。そんな幻に、落ち込まされて、励まされて、たまーーーーーーにうれしくて泣いて、なんかまあそうやって一喜一憂するものがあるのも、いい・・のかはわからんけど、悪くはない。
そういったわけで、今日は雨天コールドにより引き分け。結果として、9回裏をがっつり抑えてくれたかみさまいしやまさまありがとう、という試合。明日は仕切り直して(できればあまりハラハラしない)試合が観られますように・・・ハラハラしそうやけど・・。