【2/5 ヤクルト浦添キャンプ】 ヤクルトのユニフォームに身を包んだ選手を、みんな好きになる
バットを振るてっぱちの、「シュッ、シュッ」と言う声が聞こえる。
てっぱちのホームランは、やっぱり格別だ。と、フリーバッティングをみながらまた、そう思う。スタンドに届くそれは、なんだか特別な軌道を描いている。山田哲人という人は、やっぱりスターなのだ。
なおみちの打球は、何度もスタンドに届く。「これは2ヶ月くらいで10本打つね」と息子が言う。そうだねえ、と私は笑う。浦添の空には太陽が光り、選手たちも、そして息子のこともよく照らす。
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ブルペンが見られなかったり、通路が閉鎖されていたり、もちろんサインももらえなかったりと、制限も多い中のキャンプ見学。それでもやっぱり、選手とのこの距離感は特別だ、と思う。今年はこうして、無事ここへ来られたことだけでほんとうに、ほんとうにうれしい。
会えない時間が愛育てるわけだけれど、会えない時間、必死で仕事をし続けた甲斐があったなと少し思う。こうして久々に、目の前で見るヤクルトたちにやっぱり、心がなんというか、あったかくなるのを感じる。
そうだった、毎年毎年、この繰り返しだ。そして選手たちも、毎年毎年、こうして同じように、新鮮な気持ちでこの季節を迎えるのだろう。
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みんなの腕には、優勝ワッペンが光っている。沖縄のあたたかな空気の中、球場には、日本一の旗がはためく。見つけた私は思わず足を止め、そして空を見上げる。
ああヤクルトは、日本一になったのだ、と、改めて思う。それはなんだか少し、不思議な感覚だ。
だけど、日本一になった年も、最下位だった年も、野球というのは、あとから振り返ればとにかくなんでも笑って話せるところがいいなと思う。いつかのエラーも、96敗も、痛いサヨナラ負けの日のことも。そういう傷も、まるっと抱えて、選手もファンもまた新しい気持ちで、新しい一年を迎えるのだ。
この季節はいつも、そういうワクワクした何かで覆われている。浦添の気候がまた、そのあたたかな気持ちを運ぶ。
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