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沖縄・首里で、ふまじめに走る 【ランニング日記 2/11(火)〜2/14(金)】

2/11(火)

沖縄最終日。おいしいものをたらふく食べ、温暖な気候の中、元気なヤクルトたちの姿を毎日見続けていたら、体調がみるみる良くなっていった。単純なものだ。

ところが「走らない勇気」は当然のごとく、「走らない理由(ならびに言い訳)」となり、予想通り走らない日々がつづいた。

でもスーツケースには今回もがっつりランニングシューズが入っている。これを、このスペースを、無駄にするわけにはいかない。

そういったわけで、最終日の朝ようやく、走ることとした。

首里の街には、ものすごい坂道が待ち受ける。どうあがいても、足がすくわれ前に進めなくなるレベルの勾配だ。それをいいことに、もはやほぼ、歩く。「歩かない」ことだけが唯一のルールとなっている私のランニングだけれど、ここ首里においては、いたし方ない。

だけどこの、「歩いても仕方ない」というのは、気持ちをとても楽にしてくれる。

首里城公園には、去年もランニングの時に会ったねこがいる。(写真がのこっているので確実におなじねこだ。)

人に慣れているようで、私を見つけてこちらによってくる。こうなったら仕方ない。足をとめ、ねこと遊ぶ。普段ならランニング中に立ち止まるなんてことはありえないけれど、なんせここは、首里だ。ねことくらい、遊んだっていい。

公園を数周、ねこを探しながら走る。帰り道には、通ったことのない道を曲がってみる。

首里の街を見下ろしながら、今年もここに来られてよかった、と、思う。

このほぼ歩いたりねこと遊んだりする「ふまじめラン‘が、なんだかいいリフレッシュになったかもしれない。4キロ弱の短いラン、旅先でまた、新鮮に走ることができてよかった。

2/12(水)

昨夜遅くに家に着き、そこから洗濯をしたり片付けをしたりで夜遅くまで起きていて、なおかつ朝からむすめの学校関連の用事があり、とにかく言い訳を並べ立てて走らず。

やはり一度「走らない」を覚えた私は強い。意思の弱さが際立っていて強い。(どういうことだ。)思った通りである。

2/13(木)

体調はほぼ復活し、旅行の片付けもすっかり終わり、サボる理由はまったくなくなってしまった。

天気はぱっとせず、めちゃくちゃ寒い。でもいたしかたない、ここで走らないとたぶん私は一生走らなくなる。「習慣」なんて、ないに等しいのだ。そこにあるのはか細いか細い、かよわいかよわい、意思ともよべないくらいの小さいなにかだ。

ゆっくり走る。と、決めて走る。キロ5.52分ペース。ゆっくり走ったからといってしんどくないかといえば、特にそういうわけでもない。ふつうに、しんどいのだ。

でもまあ、先週のようにこのまま死ぬんじゃないかと思うほどの、「体調不良が身体をかけめぐる」みたいな感じは、もうない。あくまでも「健康的に走っている」という実感がある。ああ、健康とはこんなに大事なものなのだ。

久々に、いくつか仕事のアイデアのかけらみたいなものも頭にうかぶ。いや、うかんでいたような、気がする。半分以上忘れたけれど。

まあこうして少しずつ、自分の身体と頭と向き合っていこう、と、また思う。いつもこうして、走りながら。

2/14(金)

5キロを走る日。だけれども、この二週間明らかに走行距離が少ないので、とりあえず7キロ走る。

途中、雨に打たれる。低気圧だからなのか、まだ体調が万全でないからなのか、調子は決してよくない。ああ早く走り終わらないものか、と、思いながら走る。

でもそれでも、例えば少し走らない期間があったあとに、「さあ今日は久々に走ろう」と思って、とにかく10キロくらいは走ることのできる、そういう体力だけは、ずっと持っていたいな、と、なんとなく思う。

それにはやっぱり、良いときも悪いときも、コツコツ走り続けることがやっぱり、必要なのだろうな、という気がしている。

タイムも、距離も、とにかくなんとも地味なランニングだったけれど、基本的に、私の人生というのは地味なものの積み重ねだ。

こうしてまた少しずつ、ほんの少しずつ、足を前に進めていこう、と思う。

・・・いや、走りたくないけど。

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虫明 麻衣(Mai Mushiake)
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