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【ランニング日記】 京都の夏は、暑い。と、思い知る 【7/25(月)〜7/29(金)】

7/25(月)

昨日は子どもたちと、神宮で気持ち良い風に吹かれながらビールを飲んで、そして素晴らしい試合を見た。この季節の神宮球場というのはもう、ほんとうにほんとうにほんとうに素晴らしい場所だと思う。あんなに気持ちよくビールが飲める場所はほかにないと思う。都会の空は広く美しく、風はハワイのビーチのように心地よい。(ほんとうに。)この、ノースリーブとビーサンで過ごせる季節というのは実は結構、短い。ほんとうに、一年のうちの、ごほうびみたいな季節なのだ。


で、ゆっくり帰ってきてそこから塾の復習をする息子(!)に付き合おうとしたら、なんと、教材の解答用紙をコピーして使わなきゃいけないと言う。ええ…今日それいるの?と言うと、「うん!」とか元気に言っている。ええ…。仕方がないので夜遅くにコンビニに走り、コピーをとる。そんなことをしていたらもちろん、寝るのがすっかり遅くなった。でもまあ、この一年くらい、これくらいはやってあげよう、と、思う。勉強は私には代われないわけだしね。(いや、代わりたいわけでもないけど。ぜんぜん。)

そんなわけで今朝は、5時に一度ねこたちに起こされるものの、どうしてもそのまま起きられず、二度寝し、起きたらもう6時半であった。外はすっかり明るく(当たり前だ)、そしてめちゃくちゃ暑そうである。もう今日は休みということで走るのやめようかな…と、本気で考える。

しかしこういう日に走らないと、これから毎日「こういう日」に走らなくなるのである。私は自分の怠惰さをよくよくよくわかっている。なので、とにかく、5キロだけでも走ることにする。

夏休みなのをいいことにまだ寝ている子どもたちに声をかけ、外に出る。まだ少しは涼しいかなと思ったのもつかのま、もう、暴力的なまでの暑さがおそいかかる。おそるべし、夏。

ところで最近スティーヴンキングの「呪われた町」を読んでいて、これがあまりに面白くてついつい夜も読んでしまうのだけれどもそうすると確実に、悪夢を見る。もう、ぜったいに見るのである。起きたら忘れるけど。私はだいたい見たそばから夢って忘れていくので。いやそもそもあんま見ないけど。


でも夢に影響するってことはきっと、無意識に語りかける何かがあるのだろうきっと。すごい小説である。私はミステリーって昔から、それこそ小学生の頃からすんごい好きなんですが、いいよねこういうのは、娯楽としての「怖さ」というのは、なんだろうか、ほかにはない面白みがあると思う。しかしほんとうに怖いのでぜひ読んでください。怖いので。(そして怖さというのは誰かと共有したくなる。)

この本のことを思い返しながら、また身震いしながら、5キロのつもりをなんとか6キロまで足を伸ばして走り切る。いや、ほんとうは8キロ走りたいんですけれどももう今日は仕方ない。その代わりといってはなんですが、筋トレはちょっとまじめにがんばった。家でやろうとしたら息子が「僕もやるわ。」とかいって、隣にヨガマットを敷いて一緒にやっていた。全然できてないところもねこが二匹ともぐるぐる息子にまとわりついていたところも全部ひっくるめてかわいかったです。

7/26(火)

おもいっっっっっっきり、寝坊した。どれもこれも、昨日夜遅くまで本を読んでいたせいである。そう、『呪われた町』である。上巻を読み終わったのだけれどもほんとこわくて気になるから下巻も早く読みたいけど読むの怖い、という、ミステリーの正しいループにはまっている。そのかわり、睡眠時間は削られる。

ところが今は夏休みにつき、がっつり寝坊できてしまうわけなんですが、それにしてもめちゃくちゃな寝坊である。5時に一度ねこのカリカリマシーンの音で起きるも、二度寝して、起きたら7時20分である。もんのすごい寝坊。

が、外を見たら、雨。もうがっつり、雨。もう走らないで筋トレだけでよいか…なんせ、これだけ寝ても寝不足だし…と、思うも、昨日もかなり重い腰をあげて走ったわけで、おかげでそんなに長い距離は走っていないわけで、どうしようかなあと思っていると、少しだけ雨足が弱まったように感じる。
今だ!と、走ることにする。

が、外に出ると、まあまあ、ふっている。誰も走る人なんていない。みんな、もうしっかり傘をさして歩いている。これ走るんか…と、思いながら、まあ、ちょっとだけ…と、走り始める。

雨の中走ることもたまにあるわけですが、だいたいは早朝である。外にでたらもう時間は8時くらいになっていて、人々は動き始めている。街が動き出す時間に、雨の中、走るって、結構、「…なにやってんだ」感が、強い。早朝ならまあ、そんなに人ともすれ違わないし、ときたますれ違うのは何を思ったかこんな雨の中走っている同士だけである。でも8時ともなると、もう会社にいく人たちも結構いる。そのなか、びしょ濡れで走るのは、なかなかの図である。

そしてそんな日に限って、雨足はどんどん強まってくる。もう、全身びしょぬれである。なにやってんだ感である。上から下から水が染み込んでくる。速乾であることがわかったNIKEシューズも、次から次へと水たまりにはまっては、さすがにまったく乾かない。

しまいには雨の刺激なのかなんなのか、ふくらはぎあたりにかゆみが出てくる。もう、ぼろぼろである。びしょぬれの全身、まとわりつく湿気というかただの水、なぜか足はかゆい。こんなハードなランニングもなかなかない。まあでも、「毎日走る」というのはたぶん、そういうことなのだ。「毎日ヤクルトの試合を見る」というのと同じだ。雨の日も晴れの日もびしょぬれの日もある。たぶん。

そういったわけでびしょぬれになりながらなんとか5キロだけ走り、ほんとうに満身創痍とはこのことという格好で家に帰ってさっさとシャワーをあびた。ふくらはぎを見てみると、なんと蚊にさされていた。かゆみはこれでした。いやそれはそれでもう、ふんだりけったりだけど。

7/27(水)

昨日あまりに寝坊したので今日はなんとか6時半に起きる。また昨日も遅くまで本を読んでしまったので、めちゃくちゃ眠い。まあ仕方ない。とりあえず体を起こし、リビングに出る。

今週はなんだかんだであまり距離を走っていないので、今日はなんとか8キロは走ろう、と、決めて外に出る。

月曜日のランチにおすしをわりとしっかり食べたら、糖質を多めに取ったのもよかったのか、火曜日はなんだか筋肉の調子が良い感じであった。体重も、ようやく少し減ってきた。あと1キロがんばって、あとはそれをなんとか維持していきたいものです。

体重ってもちろん目安でしかなくて、「減らせばいい」というもんでは絶対にないのだけれど、自分の体と向き合う中でやっぱり「ベストな体重」というのは、ある。で、筋トレをしながら、筋肉をつけながらその体重に減らしていくってまあけっこう大変なのだけれど、やっぱりその体重のときの筋肉がいちばん自分でも好きだと思えるのだ。だからまあ、大変だけれどもがんばっていこうと思います。

そんなわけで今日も「燃えよ脂肪」と思いながら、なんとか9キロ走りました。暑い。まじで暑い。でもまあ、これが夏なのだからなんとか走っていこうと思います。がんばれ夏休み。

7/28(木)

今日から京都。取材の予定が、これは延期になり、でもまあホテルもとっていたし、せっかくなのでいくことにした。(どうしようかなあと悩んでいたら、息子が行っておいでよ!と言ってくれた。いいやつ。)

で、旅先だとどれくらいしっかり走れるかわからないので、とりあえず、今日も走る。今日は朝からねこ…ではなく、海外出張から帰ってきた夫のテンションに起こされた。「あーーーふーちゃん!!!ひーちゃん!!!かっっわいいねーーー!!!」とか、朝5時にさけんでいる。そりゃ起きるわ私も。もっと静かに帰ってきていただけないだろうか。

仕方がないので体を起こし、リビングに出る。今日は子どもたちにお弁当も作るので、とにかくてきぱき準備したい。(まあ、それが難しい。)


外はもちろんもうすっかり明るく、そして暑そうであり、ああ今日も本当に走るのかね私は…という、気持ちになる。走りたくはないけれども、せっかく落ちてきた体重を戻すわけにもいかない。いや、なんなら今日ちょっと増えてたじゃないか。というわけで、走る。がんばって。

少し早い時間に戻ったので、キロ3キロマンとも競歩の女性ともすれ違う。いつもの人たちに出会うと、話したこともない人たちだけれどもちょっとほっとする。

そういえば、釣りをしている人の保冷バッグに「ボウズ知らず」みたいな文字がでかでかと書かれていた。いや、ボウズ知らずではなかったんだよな、もっとおもしろい文章だったんだけどなんせ走っている途中なので忘れてしまった。オレンジとかのどはでなバッグだった。走りながらちょっと笑ってしまったよ。しんどい中でもこういうのをみるとなごみますね。

暑くてへろへろになりながらなんとか8キロ。今年もいよいよ腕がまっくろになってきた。アリーの大きいサイズの日焼け止め、半月で1本使い切るんですよ私、それでも焼ける。もうこればっかりは仕方ないね。私もランニングウェアにでかでかと「シミ上等」みたいに書こうかな。やだけど、シミ。

さて京都、ほとんどなにも決めてないけれどもまあ、好きなホテルをとっているのでこもってがっつり仕事しましょう。あと明日は甲子園へいくぞ!

7/29(金)

京都に来ています。最近、もう家にいることにすっかり慣れて、仕事もプライベートもずっと家ですごしているわけで、で、わたしは自分の家が大好きなので、ついつい「いやー外に出るの億劫だなあ」というふうに思ってしまうわけですが、やっぱり外に出ると、楽しい。全部が刺激的で、なんというかいつも使わない脳やそして体を使う感じがする。


大好きなホテルにこもっていつもと同じように原稿を進めるだけなのだけれど、やっぱり集中力も違う。わざわざ三時間かけてお金をかけてでも、たまには家を出て場所を変えなきゃなあ…と、思う。

なにより、やっぱり受験生がいるのでつい、かかりっきりというか、その一挙手一投足に気をもんでしまう。つい、あれやったかなあこれやったかなあと気にしてしまうのだ。で、私が家を離れて一人でちゃんと勉強できるだろうか…と、心配してしまうけれど、離れたら離れたで、意外と本人はちゃんとがんばっていたりする。だいたい、3日くらい離れても大丈夫なんだよね、仮にその間まったく勉強できなかったとしても、そこで終わるわけでもない。

というわけで私も束の間のリフレッシュである。ほんとうに来てよかった。昨日は祇園で餃子を食べ、そのあと川床で一杯飲み、さらにホテルのバーでスパークリングワインをのんだ。最高です。で、おされバーで飲みながらまた「呪われた町」を読んでおりまして、店員さんに声をかけられるだけで叫びそうになった。まじでこわい。吸血鬼こわい。


そして部屋に戻ってからもそれを読み続けまして、すっかり寝るのが遅くなり、起きたら7時半だった。大寝坊である。どうしようもう走るのやめようかなあせっかく京都だし…と思いながらも、でもまあ、なんとか外に出ることにする。

ところが。

京都の8時ときたら、東京の8時とはわけがちがう。暑いなんてもんじゃない。もはや刺すような暑さである。痛い。高校の時からここは暑いと思ってたけどこんなに暑かったっけ…?と、戸惑う。なんなら、宮古島より暑い。いやほんとうに。間違いなく生死に関わる。と、思い、アーケードの新京極をちょっと走り、2.5キロくらいでやめておいた。

その後、ジムで筋トレをし、マシンで3キロほどトレーニングをする。これがなかなかきいた。最初からこっちにしとけばよかったんじゃないかという気がしなくもないけれども、まあ私は何事も身をもってでないと学べない人間なのである。

そう、京都の夏は、暑い。

ようやくわかった。


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虫明 麻衣(Mai Mushiake)
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