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【ランニング日記】おじいちゃんがいない世界を、おじいちゃんみたいになりたくて走る 【2/14(月)〜2/18(金)】
2/14(月)
おじいちゃんが亡くなり、京都に帰っている。実家はバタバタしているので、今日はホテルステイ。
先週金曜日は休日で走れなかったので、今日は走っておきたい。と、東山七条にある母校(高校)まで走ることにする。
私にとっての京都というのは誰がなんと言おうとこの景色なんである。
…ってことを言いたいがためだけに、西洞院のホテルからここまで走ったのだけれど、いつのまにか高校の隣にはフォーシーズンズなんかできていた。ぜんぜん知らなかった。それは私の知っている女坂の景色とまったく違う。
フォーシーズンと言っても築地のスパゲッティ屋さんじゃないですよ、正真正銘の高級ホテルの方である。
土曜日のランチにみんな里じゃなくてフォーシーズン行っちゃうんじゃない?と、思ったけど、大丈夫「里」は健在だった。「里」というのは土曜日のお昼(毎週土曜日は午前中だけ授業があった)私たち高校生の胃を満たしまくってくれていた、定食屋さんだ。
今私は猛烈に里のグラタンが食べたい。と、思いながら走る。朝の7時半である。私の胃ときたら高校生並みに健康である。
さらには京女(高校)の校舎を見た瞬間、あぁ私は今猛烈に、食堂のからあげラーメンが食べたい。と、思った。なんだったんだろうあのメニュー。でも今すごく食べたい。やたらおいしかったのだ、唐揚げラーメン。たぶん子どもたちも好きだなあれ…。
気づけば私は、あの頃遅刻しないように走った女坂を、わざわざ好き好んでランニングする38歳になっていた。でも朝の7時半からもう学校に向かって歩いている朝練の京女生たちはとってもかわいくてうれしかった。私にとってあの高校で経験したことはもうほんとうに、すべての軸みたいになっているのだ。
2/15(火)
告別式で実家でバタバタしていて走らず。おじいちゃんのことはこちらに書きました。
2/16(水)
昨日の遅くに、東京へ戻ってきた。心も身体も疲れているので、今日は走らなくても良いかな…と、思うものの、いやでも、こんな時こそ走っておこう、と、子どもたちが学校へ行ってから7キロだけ走る。
もう走っていてもなにをしても、どうしてもおじいちゃんのことを考える。この世界はおじいちゃんがもういない世界なんだと思うと走りながら涙が出てくる。そりゃそうだよね、そりゃあ、そうだ。この悲しい気持ちっていうのは、無理して乗り越えていくもんでもない。どれだけ大往生でもそれでも悲しいものは、悲しいのだ。ゆっくりゆっくり、と、そう自分に言い聞かせる。悲しいと思えることは、それと向き合えることは、ある意味良きことなのだ。(お母さんのときには、悲しい気持ちに向き合うことがなかなかできなかったから。)
おじいちゃんの骨は、94歳とは思えないくらいしっかりしていた。特に腰の骨なんてほんとうに立派だった。だから私もやっぱりしっかり走って、健康に生きよう、と思う。できるだけ自分の力で、生きていけるように。
今日は少しゆっくりになっても仕方ない。と思いながら、マイペースに走る。おじいちゃんは、息子をなくし、娘をなくし、そして妻をなくしても、その人生を嘆いてばかりではなく、とにかくなんとか、生き続けた。周りには辛くて仕方がないなんて素振りを、見せることなく。そしていつしか、ひ孫がたくさん生まれ、ひ孫たちにめちゃくちゃ愛され、最後の最後に自分のさよならの番を迎えた。
だから私も、おかあさんがいなくなり、おばあちゃんがいなくなり、おじいちゃんがいなくなっても、とにかくそれを受け入れて、私の人生を生きていかなきゃいけない。どんなにつらくたって、生きていかなきゃいけない。それはおじいちゃんが生きた道だから、おじいちゃんからつながる命だから。
でもなあ、そんなわけないのに、94歳のおじいちゃんにそんなわけはないのに、おじいちゃんはいつまでも元気で私のおじいちゃんでいてくれる気がしていたよ。そんなわけないのにね。ああもう、ほんとうにさみしい。いつまでこのさみしい気持ちは続くんだろう、久々に、こんなにさみしいよ。
2/17(木)
昨日は宿題をやる息子のとなりで、椅子に座ったままうとうとしていた。ハッと目を覚ますと、子どもたちが二人でこっちを見て笑っているところだった。「早く寝た方がいいよママ」と息子が笑う。まったくだ。早く寝た方がいい。
そういったわけで23時には寝て(電気を消して1秒で寝た)、それでも起きたら6時前。私は睡眠時間が6時間を切るともうほんとうにぜんぜん日中使い物にならなくなるのだけれど、最低6時間寝ればなんとか、その日は持つ。それでも今日は7時間近く寝てもまだ、日中眠かった。さすがにこの一週間の疲れが溜まっている。
「ちょっと休まなきゃな」と、もちろん思う。心も身体も、ずいぶんと疲れていることが自分でもわかる。でも前は「休む」とか「自分を甘やかす」って、とにかく一日中だらだらして寝まくるとか好きなものを食べまくる、という感じのことだと思っていたのだけれど、今は少し違う。
筋肉にとって大切な「運動」「食事」「休養」というのは、結局のところ、心と体の健康にとっても大事なものなのだ。だから、疲れているときはむやみに寝まくるだけじゃなく、適度に運動して、栄養があっておいしいものを食べて、その上でしっかり寝る、ということが、結局身体に優しいことなのだと、思うようになった。
…と、思ってはいるものの、それでも疲れ切った心が甘いものを求めまくるようで、朝から冷蔵庫をあけ、バレンタインにとママ友がくれたでっかいクッキーを一口食べたら、なんかもう止まらなくなり、そのまま2枚食べきってしまった。ほんと久々にこんな「食べたら止まらない」みたいなポリンキー(いやかっぱえびせんか?)みたいなことになった。こういうお砂糖とバターと小麦粉がいっぱいのお菓子って、少し食べると「もっともっと」となるもので、結局食べてもまだ食べたくなってしまったので、これじゃいかん、と、なんとか外に出る。
走っていると少し、疲れた心を甘いもので満たしたいという衝動はやわらいでくる。こういうのは「適度な運動」の一番大事な側面かもしれない。悲しみとか疲れを抱えた心を、暴飲暴食で満たしたくなることって、ほんとうによくある。めちゃくちゃある。私はそれが今、ここ数年でいちばん大きいのかもしれない。
もちろんちょっとくらいの甘いものは食べてもぜんぜんいいと思う。だけど、この弱った心が求めるままに食べまくると、結局体は余計に疲れてしまう。体が疲れると、心も元気にはなかなかならない。
だからちょっと無理してでも、えいや、と少し外に出る。10キロ20キロも走らなくてもいいから(いや私はそろそろちゃんと走った方がいいけど)少し走るだけでも、甘いものを食べるだけとはまた違う形で、心が少し、元気になる。
と、言いつつ今日は帰ってまたクッキーを食べ、筋トレに行きたくなさすぎてソファでだらだらし、ああもうこのまま寝てしまおうかとまた思った。そこをまたなんとかえいやと体を起こし、少しだけ筋トレをした。ようやくそこで、「クッキー欲」はおさまった。まあ、でっかいクッキー2枚分、おなかにもおさまったわけだけど。
今日はなんとか5キロ。今月はなかなか走行距離が伸びないけれど、まあイレギュラーなことが続くから仕方ない。少しずつでも、積み重ねていこう。
2/18(金)
今日は16日くらいだろうと思って1日1ページののスケジュール帳の「2月16日」ページを開いたら、今日はなんと、18日であった。驚きである。どこいったんだ、2月。(毎月言っている)
昨日はお昼に2時間ほどお昼寝をして、夜は23時におふとんに入り、とにかく久々にしっかりと寝た。おかげで朝はすっきり…とまではいかないけれどもなんとか8キロは走ることができる時間に、起きることができた。
2月はほんと、宮古島にいたり沖縄にいたり、キャンプへ行っていたりそして実家へ帰ったりと、あっちへいったりこっちへ行ったりなかなか落ち着かず、体も結構、それなりに、疲れているわけだけれども、少しずつまたいつものペースに戻していこう、と思う。(あとまた食べすぎですからいつものごはんに戻そう…)
だいぶ夜明けが早くなった東京だけれど、相変わらず、めちゃくちゃに寒い。凍えながらとにかく走り始める。
なんせ、先週末からの疲れで甘いものを食べすぎた体がとにかく、重い。体が重いとやっぱり、スピードも出ない。ぱっとしないタイムだけれども、とにかく今週は心が絶好調!というわけではない中、しっかり走っているのだから良いのだよ、と言い聞かせる。ちゃんと睡眠もとったしね。
子どもたちを見送り、筋トレをする。これもとにかくやりたくないけれども、やっぱり先週の頭に入れ直した気合を、もう一度呼び覚まさねばならぬ。体重をあと2キロ…いや3キロ…くらい落としたいと思ったところでドタバタしてまた元に戻してしまった感じがあるので、今日からまた少しずつ、である。
私もおじいちゃんみたいに最後の最後まで自分の足で立ち、自分でごはんを作り、自分のおうちで生活がしたい。だからそのために、今からコツコツがんばろう、と、改めて思います。それは最後の最後におじいちゃんが教えてくれた、大切なことだから。
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