もう誰にも怒られることのないベテランに、今日もエールを 【3/9オープン戦 ソフトバンク⚫️】
「もう二度とヤクルトの試合は見ません」と、今年最初のこの文言を先輩たちとのLINEグループに送った。今年は何回これ言うんだろう。まあもう見ないから二度と言わないはずなのだけれど。
サヨナラの1点はいつもとても辛いので、その1点は色濃く残るわけだけれども、しかもエラーが絡むとそれが焼付くわけだけれども、みわちゃんのあの試合の時も言ったけれど、取られちゃいけない1点はその1点だけじゃなかったし、さらに、取らなきゃいけない1点だってあったのだ。数字上、その1点は同じ意味を持つ。
・・・と、いうことも、思い出すためのもの、それがオープン戦である。もう全部練習なのである。見ている方にとっても。ああ辛い、ああ辛いと思いながら、わざわざ辛い思いをするためにDAZNをつけるのだ。ほんとうに意味がわからない。
でもまあ・・・と、思う。
取らなきゃいけない1点はそこに確実にあった。やっちゃいけないエラーもあった。そこで出しちゃだめな四球があった。でもそれをするのが、人間だ。それが、ロボットがするわけじゃない、野球の試合だ。
そこで点が取れないから、そして、時に取れないと思っていた1点が入るから、だからゲームは面白みを持つのだ。
・・・と、いうこともまた、思い出した。
みんなみんな、そこで1点を取るために、そこで1点を守るために、そしてその先でレギュラーをつかみ取るために、キャンプで自主練で、トレーニングを重ねてきた。そして、これまでの野球人生の中で、経験を重ねてきた。若手たちは、未来がある若さそのもの武器に、そしてベテランたちは、その経験を武器に。
それでもその全てが、その一瞬で報われるわけでは決してない。一軍に上がったばかりでエラーをしたり、バントで失敗したり、チャンスでゲッツーしたり、もしくは大学の最後の試合で最後のエラーをしたり、そういうことがどうしても起こる。スガノだって6失点をするし、みやさまだってエラーをするし、常勝軍団ソフトバンクだって負けることもあるのだ。
「あれだけ頑張ったのに」というのは、言い訳にならない、そういう世界なのだ。それは、プロだから。どんな仕事も、それは同じだ。
それでも特にベテランには、その一つのミスが大きくのしかかる。これからを担う久保くんの四球よりも、あの日のみわちゃんや、今日のびっきーのエラーはどうしても色濃く残る。見ているこちらだって「おおおおおい…」と思うことはもちろんある。
でもやっぱり、ベテランたちを責められない。ここぞの場面で、絶対やっちゃいけない場面で、ミスをする人を私は責められない。
それは、私だって同じだからだ。同じ場面で失敗することが、きっとあるから。そして私たちはもう、みやさまに若手と同じように怒ってもらえる年齢じゃ、ないのだ。それが、わかるからだ。
そのミスを、そのエラーを、その失敗を、ひたすら自問しながら、乗り越えていかなきゃいけない。それは当然、孤独な作業だ。
でもきっと、その作業は、ベテランたちをまだまだ成長させる。それは若手にはない、一つの「のびしろ」かもしれない。
それを、ただ続けてゆくベテランたちに、私はやっぱり今日もそっとエールを送る。
またたくさん、わくわくするプレーを見せてくれますように。そろそろ・・・勝ちますように。うん。