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つつまれて
めずらしく、この時間に電車に乗っている。
約1ヶ月前に精神面の不調で休職してから、なかなか人ごみの多いところへ出かけることが億劫になった。
久しぶりに会社の同期と2人で食事に出かけた今日は、ある種のリハビリ。
いつまでも部屋に閉じこもっていてばかりでも復職は遠のく一方。ある程度負荷がかかる状況を作らねば。
会社を離れてより一層感じるが、僕は本当に周りの人に恵まれている。休んでからも、何人もの同期が連絡をくれた。
今日の食事も、なるべく人ごみの少ないエリアで会おうとしてくれたり、お店でも逐一体調を気遣ってくれたりと、同期だからこその距離の近さと心遣いに感謝するばかりだった。
誰かとまとまった時間を過ごすのは久しぶりだったが、純粋に心地よく思えたことに安心した。
体調を崩したころは、コミュニケーションを取ることが煩わしくなるほどだった。ただ、何かを語り合っていると、1人で悶々と考えてばかりでガチガチだった脳内を、サーっと穏やかな血が巡っていく感覚になる。少なからず回復はしているらしい。
ここまで書いて、ふと画面から顔をあげる。この時間になっても、相変わらず頭を前に傾けて電車に揺られる人で車内は満たされている。
どこまで回復しても、かつてのように純粋なココロとアタマで世の中を見られるようになっても、この異様な空間だけはどうしても慣れない気がする。それが悔しくないから不思議だ。
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