見出し画像

ストリップについて語らせて

いろんな人に趣味の話を聞くポッドキャスト「むしゃむしゃラジオ(通称むしゃラジ)」のパーソナリティをやっています。
Twitterを中心にゲストを募集して、アポを取って、リモートで収録するという流れが通例になっています。そのため、リモートで音声が繋がってみるまで、どんな人が話してくれるのか、どんな趣味の話なのか分からない、なんてことが多々あります。今日はそんな活動を約1年続けてきて、ある意味最も始めた当初から想像できなかった、ある趣味にまつわるお話です。

ある日、むしゃラジで話をしたいと声をかけてくれた方がいました。名前からは男性か女性か判断しづらい。Twitterのプロフィールを見ると「ストリップが好き」と書いてあります。この番組で18禁のテーマを扱うかどうか決めあぐねているタイミングだったため、一瞬戸惑いましたが、「迷ったら面白そうな方」という座右の銘に従い、とりあえず収録してみようとお話を進めてみました。どんな人かわからない状態で日程調整して、いよいよ収録日です。

音声が繋がると、意外にもその声の持ち主は若い女性でした。
そして、趣味の内容は案の定「ストリップ」でした。正直意外でした。
この時まで「女性がストリップに行く」という可能性を考えていなかったのです。女性視点のストリップの話だったら番組的にもアリかなと、そのままお話を伺ってみることにしました。その回のストリップの紹介がとても魅力的で、「これはいつか行かないとな」と思ったのです。

ただ、思っただけで腰が重いのが人間というものです。お話を聞いた時に湧き上がった好奇心は日を追うごとに次第に薄れていきます。「いつか行きたい」は「機会があったら行こう」に変わり、「いずれ行けたらいいな」に変わるギリギリの頃合いに1通のDMが届きました。

「ストリップの回楽しませてもらいました!
 もしよかったら一緒に行きませんか?」
当時のDMより一部抜粋

機会ができました。しかも、このDMをくれたのはポッドキャストで趣味を話してくれたのとは、また別の女性です。
「初対面の女性とストリップに行く」
なかなか刺激的な経験です。倫理的に大丈夫かなと一瞬よぎった気もしますが、誘われたら乗らない訳には行きません。ついにストリップ劇場に足を運ぶことになりました。この時の詳しい話は、以下の回でお話しているので割愛します。

ここでも話している通り、初めてのストリップ鑑賞は今まで漠然とあったストリップへのイメージを大きく塗り替えるものでした。ショーとして、こんなに面白いものだったなんて!初回で2公演連続観てしまいました。
「女性がストリップを見に行く」も「初対面の女性とストリップに行く」も全然ありなカルチャーだとその日だけで理解できました。

初回浅草ロック座で観て、翌月は新宿ニューアートにも行きました。「誘われているから」ではなく、もう自ら「行きたくなってる」自分がいます。

そしてこれを書いている昨日、3回目のストリップ劇場へ行ってきました。
たった3回計7公演の経験ですが、まだ素人のうちに気づいたストリップの魅力について感想が瑞々しいうちに語っておきたいと思いました。
ここからが本題です。

余談ですが、どんな趣味でも体験しないとわからない魅力っていっぱいあります。むしゃラジをはじめて、いろんな方にインタビューして、いろんな趣味を初体験してみたから分かることがいっぱいありました。
特にストリップは体験後の発見が多く、なんで今までこんなに面白いものを未体験で済ませていたんだって後悔したほどです。
だからまだ魅力を知らない人にこそ、知っていただきたいのです。
それでは参りましょう。

魅力その1:とにかく距離が近い

劇場内は自由席だから、どの席を取れるかに寄るところが大きいんだけど、MAX近い席だと手を伸ばせば触れられるほどの距離までいけます。
(当然お触り厳禁です。例えです。)

近い距離だと何が良いかというと、ざっとあげるだけでもこんな感じです。

・踊り子さんが指先まで神経研ぎ澄ませているのがハッキリと分かる
・踊り子さんが手足を伸ばしたりするスピードを調整しているのが分かる
・踊り子さんの横隔膜などの動きで呼吸が見える
・踊り子さんが自身の体を支えるために震えている腕が分かる
・踊り子さんのまつ毛など普段凝視しずらい部分がはっきり見える
・うっすら踊り子さんの香りを感じる時がある
・踊り子さんと目が合う

など、表現者が真剣に世界観を表現しているそのリアルな雰囲気を五感すべてで感じ取ることができる点にこそ魅力があるのです。
ここまで近い距離で演者を見ることができる文化を僕は知りません。エンタメを愛するものとして、今生み出されている表現を目の当たりにできるというのは、とてつもなく恵まれている環境だと思います。

魅力その2:アクロバット

まさに昨日気づいたばかりの魅力です。
3回目にしてはじめてエアリアルという技を見せてもらったんだけど、ものすごいクオリティのアクロバットでした。
武藤つぐみさんという人気の踊り子さんが得意とする技らしいのですが、天井からぶら下がった「通り抜けフープ」みたいな輪っかを使って、アクロバットな踊りを繰り広げるんですが、誇張じゃなく「ステージから重力なくなりました」

正直、「アクロバットって言ってもストリップ劇場のレベルでしょ?」と侮りたい気持ちは分かります。アクロバットのレベルというものが10段階あったとして、事前の予想では、「1を想像していたら3くらいですごいって言ってんだろうな」って感じでしょ?マジでビビるんですけど、レベル12です。意味わからん。めちゃくちゃすごいもの見たし、これだけでも見に行く意味ある。エグい。語彙力なくなる。サーカスよりすごい。

最初に「通り抜けフープ」と思った輪っかは見終わる頃には「月」になっていました。踊り子さんが月に吸い込まれてました。マジで。インターステラーでした。

魅力その3:多様性を受け入れる現場の包容力

ストリップに行かない理由。その一つに古参ファンが怖そうという漠然としたイメージがあるからですよね?分かります、皆まで言うな。
確かにそんなイメージありますよね。

最初に劇場へ行く時にイメージしていたのはドラマや映画で見る「場末のストリップ」でした。席もちょっとしか埋まってなくて、見にきている人も新聞読みながら、みたいなイメージ。とんでもねえ誤解でした。
メディアがいうことを鵜呑みにしちゃいけないな。

本物の劇場は、ながら見している人なんて誰もいない。老いも若きも男も女も皆んな真剣にストリップと向き合っていました。

ステージの上の美を見逃すまいと真剣なおじさまたち
かっこいい踊り子さんにうちわで応援する女の子
紙テープやタンバリンで踊り子さんとステージを盛り上げる人
観光ついでに立ち寄ってみたカップル
男友達数人で冷やかしで入ってみた人
誘われて興味本位で来た素人ラジオパーソナリティ

見る限り、その誰もが嫌な思いをすることがなく、共存しているのです。
みんなでその舞台を作り上げているのです。ここまで多種多様なお客さんが共存できる環境ってなかなかないのでは?と真剣に思います。
戦争をなくすためのヒントは浅草ロック座にあるのかもしれない。

魅力その4:憧れの人に会える…かも

なんか「文化として」とかカッコつけた感じになっていますが、もちろんエロい魅力はあるんですよ。それは間違いない。踊り子さん皆んな綺麗だし、かわいいし、プロポーションものすごい良いし。作画ミスなんじゃないかって思うくらい細い手脚やウェストだったりしますからね。現実が創作を超えてますよ。前職が映像系の方も多いようで、画面上でお会いしたことがある方もいたりします。そんな時は感動が2倍以上になります。(当社比)

単純に綺麗な女性の美しい身体を拝見すると元気になる効果があります。
しかも、劇場によっては一緒にお話したり、写真撮れたりするところもあるんですよ!

ストリップは日本のオフブロードウェイ

と、素人なりにここまで書いてみましたが、ストリップは分類的には風俗に当たるらしいです。初めて行くまでは当然そうだろうと思ってました。
行ってからは「らしい」が付くようになりました。
個人の感想としては、ショーだし、芸術だし、エンタメだと思いました。

「女性の裸を見る場所」と言い切るのは違和感があります。
間違ってないけど言葉が足りない感じ。

「女性が作り出す美を感じる場所」
かなり近いけど、これもまだ足りていない。

「踊り子さんとお客さんが作り出す美を堪能するショー」
語感悪いけど、これが一番しっくりくるような気がします。

なかなか表には出しづらい芸術であることは分かります。
3回計7公演見て思ったのは、ストリップは日本のオフブロードウェイなんじゃないかな、ということ。
正面切って盛大にはやりづらいけど、みんなが興味があることをずっとやり続けてくれている場所。この場所を知れて良かったと心から思います。

だからね、「ストリップ行ってきた」という人に対して
「どこまで見えるの?」「エロいの?」なんて質問はナンセンスだと思うんですよ。
ディズニーランド行った人に「ジェットコースター速かった?」って初手で聞きます?「今ショー何やってんの?」「ミッキーに会えた?」とかでしょ?そういうものだと思って頂けたら幸いです。

まあ、間違いないのは、少しでも興味が湧いたら一度でも見ておいた方が良いということです。後悔はさせないから。興味があるなら見て損はない!

昨日見たステージの感想

12/30まで浅草ロック座でやっている「夢音 DREAM ON 3rd season」、めっちゃ良いから、年末休みに足を運んでみてはいかがでしょうか?

せっかくなので、「夢音 DREAM ON 3rd season」見どころを、見てきたばかりの熱量でご紹介します。このnoteのために休憩時間に必死でメモとりました。
*ストリップでは、それぞれのステージを景色の景と言います。素敵ですよね

1景/樋口みつはさん
一見ギャルっぽい感じなんですよ。その子が冷たそうな表情から一瞬笑顔に変わるんですね。この表情が切り替わる瞬間にクラクラします。

2景/広瀬あいみさん
お綺麗な女性です。伸ばした指の形にまで神経が行き渡っている感じ。
これが手の形として正解なんだと教えてくれるようでした。

3景/友坂麗さん
舞台中に髪型が変わるんですよ。それだけで印象がすごく変わるんだけど、印象的な目だけは変わらないんですね。切長の流し目にやられます。

4景/赤西涼さん
手脚を伸ばして元の位置に戻すという一連の動作が計算され尽くしています。こんなにも精密に人って動けるものなんですね。

5景/神野ひなさん
実はこの方を生で見たかったんです。表情、仕草がかわいくて、かわいいという概念の擬人化みたいでした。ものすごっく細い腕で自身を支えている時に震えている腕にグッときます。

6景/武藤つぐみさん
中性的な踊り子さん。この方を一番見に行ってます。身の回りの重力を失くす能力の持ち主。めちゃくちゃキリッとしているのに実際に話すとふわふわしていて、一生掴めない方。だから追いたくなるファンが多いのもとても分かる!

7景/あやみ旬果さん
4年ぶりに舞台に戻られたそうです。4年前を知らないけど、おそらく全く遜色ないかパワーアップしています。ものすごいクオリティのプロポーションです。生で見られて良かった。本当芸術です。

ほら、見たくなったでしょ?
見に行ったら感想をラジオで聞かせてください。お待ちしてます。


番組ゲスト募集中!

ここまで読んで、それなラジオならゲスト出演したいかも、と思ったら是非メールください!
musharadio@gmail.com
審査とか何もないです。希望者全員出演です!
リモートで電話感覚で収録できます。
顔出しも一切必要ありません。
スマホと30分時間があれば、是非喋りにきてください。

いつか踊り子さん側の視点でもインタビューしてみたいな。もし、ご覧になっている踊り子さんいましたらぜひお待ちしてます!


アワード開催中!

そして今ポッドキャストアワードというポッドキャスターにとってのM-1のようなものが開催中です。
聴いてみて、応援してもいいなと思ったら是非リスナーからの推薦をお願いします。


質問を募集しています!

DJいしかわの好きなタイプは?
何に一番お金を使っている?
インタビュー前にしていることは?などなど
どんな質問でも構いません。
DJいしかわに聞いてみたいことを募集中です。

お時間ある時に質問投げつけてみてください。

というわけで、本日は「ストリップ」をいただきました。
ご馳走様でした。
お相手はいしかわでした。バイバイ

いいなと思ったら応援しよう!

むしゃラジ!
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートは今後のむしゃ活の費用として使わせて頂きます!!