小説『星の子』 今村夏子
小説『星の子』 今村夏子
病弱だった子どもを守りたくて宗教にはまってしまう。家族の形が歪んでいく姿を、その子どもの目線で語られている。
幸せとは何かを考えさせられる一方で、本末転倒さを感じ、とても歯がゆい気持ちになった。
また子どもの頃からの出来事には子どもは疑問を抱かない。
自分の習慣に疑問を持つことも時には大事なのかもと思えた。
ここからネタバレします
宗教にハマる人の気持ちなんて全くわからないと思っていたが、
我が子を病気から救いたい一心で、
宗教にハマる姿を見て、
気持ちがわからなくもなかった。
実際水を変えただけでちひろの病気は治ってしまった。
しかし、
病気が治ってもなお、両親はその宗教を信じ続ける。
親戚からも煙たがられ、
主人公の姉のまーちゃんが出て行っても、改心しようとはしない。
一体ちひろの両親はなぜこの宗教を信じ続けるのだろうか。
あやしい宗教から買ってる高額な品々のせいで家計が圧迫されてることは、家が段々とせまくなっていく様子から伺える。
ちひろ自身は、
憧れの南先生に、お友達と一緒に車で送ってもらった時に、
両親がいつもやってる行いが異様な光景に見えた。
(頭にタオルを乗せてその上から水をかける)
物語は、
とある集会の夜、
親子3人で星空を眺めながら終わる。
いつかちひろにも気付く時が来るだろうか。
幸せは感じるものであること。
親子3人で眺められる星空、それが幸せということ。