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旅に行くだけでは物足りなかった
社会人として働くようになってから、
月1~2回くらいの頻度で旅に出かけるようになった。
元々写真が好きで、旅先を写真に収めていた。
ただ、そのうち何か物足りなさを感じてきた。
毎月のように何万円も払って旅に行くけど、得られているものがあるのか?
と思いはじめた。
確かに、美しいもの、美味しいもの、知らなかったことや、楽しいことを通して一時的に素敵な経験をしているとは思う。
しかし旅から戻ると、また日常に戻ってきて、時間の経過とともに記憶が薄くなっていく。
そんなことを考えていた矢先、YouTubeで、旅行Vlogなるものを見た。
サムネのデザイン、作風、テロップの付け方、画質など趣向を凝らした動画に感心した。
写真を撮ってブログに載せるという方法もあるかもしれないけど、動く絵と音もある動画のリアリティに心打たれた。
これだ!と思って旅を動画で撮影してYouTubeに投稿しようと思い立った。
事前に行き先について調べて、旅から帰ってきて動画を編集する際にも、テロップをつけて紹介するために行き先のことをまた調べる。
最近は建築に興味があって、レトロ建築を見にいくことが多い。
その建築の設計者や建てられた当時の時代背景など、できるだけ調べる。
するとおもしろいことに、複数の建築家が師事した人物を辿っていくと、共通の人物にたどりついたり、東京と北海道で見た建築の設計者が同一であると、後から気づいたりする。
建築の本を読んでいると、建築は哲学・歴史・芸術など多分野に横断している分野であることも知った。ある時代の出来事や流行、風潮によって哲学思想が生み出され、それが芸術の表現様式に現れてくる。
建築の様式(デザインのパターン)を調べていると、当時の時代背景がまずあって、そこからあるデザインが生み出されたことがわかる。建築は思想が大型の建物として具現化したものだから見応えがあっておもしろい。
建築から派生して、明治時代に文明開花した東京の都市がどんなふうに作られていったという歴史も知ることができた。
こんなふうに、旅先の歴史や文化などの目に見えないものを知って、目に見えるものと合わせて、自分の経験として身につけていきたい。
旅先を訪れて、その場所にあるモノやコトがもっと見えるようになりたい。
①目的地をどこにするか調べる
②その中で行き先を決める
③行き先について調べる
④フライト、ホテル予約
⑤実際に行って撮影する
⑥行き先についてもっと調べながら
⑦動画の中で紹介文をテロップでつける
こうしたプロセスを繰り返して、ただ行って見るだけでは終わらないような旅にする、というのがやりたかった。
本に字面で書かれていることと、実際にその場を訪れて本物を合わせて見ると、本当に感動するし、自分の経験として身についていると実感できる。