DVを克服した被害者との接し方
被害者は記憶を失っている場合がある
私の主人が行った認知行動療法ですが、克服した・スッキリした、と感じた瞬間から私に異変が起こりました。
元彼に対する記憶が非常に曖昧になってしまったのです。
これは一般的に「解離性健忘」と呼ばれるトラウマやストレスによって引き起こされる記憶喪失(健忘)のことで、自分にとって重要な情報が思い出せなくなってしまいます。
健忘には主に下記の5種類があります。
・限局性健忘
特定の出来事または特定の期間について思い出せなくなります。
・選択的健忘
一定の期間中の一部の出来事のみ、または外傷的出来事のみを忘れてしまいます。
・全般性健忘
自身の同一性と生活史(自分が何者なのか、どこへ行ったか、経験したか)を忘れます。また、よく習得された技能が使えなくなったり、世間について以前は知っていた情報を忘れたりすることもあります。
・系統的健忘
特定の人物または自分の家族に関する全ての情報など、特定のカテゴリーの情報を忘れてしまいます。
・持続性健忘
新しい出来事が生じるたびにその出来事を忘れてしまいます。
私の場合は限局性・系統的健忘のような症状が今も続いています。
特に別れてからただのDV関係となった3ヶ月程度の記憶はほとんどなく、あったとしても曖昧かつ、以前主人に伝えた時とは情報が異なるなどとても不明瞭なため、何らかの大きなショックを受けたのではないかと思っています。
しかし、健忘を起こした被害者の中には他人からその出来事について触れられた際にフラッシュバックする場合もあり、その健忘への気づきがきっかけで、思い出された心理的外傷の記憶に圧倒され、自殺行動のリスクが増加する場合もあるそうです。
なので、被害者側から相談を受けたり、どうしても聞かなければならないことがない限りは、興味本位等でDVの出来事について話を聞こうとするのは控えた方がよいでしょう。