DVのトラウマを乗り越えた今、感じること
DVは加害者との縁を切っても終わらない
トラウマを克服したいま、元彼の顔や声、思い出はもうぼんやりとしか思い出せないし、どうでもいいなとまで思えるようになりました。
しかし克服するまでは、いつまたあの恐怖がやってくるのかと、毎日怯えながら生活していました。
加害者につけられた心の傷は、縁を切るだけでは治らないのです。
誰にも吐き出せないまま、加害者への憎しみとともに化膿していきます。
そしてその加害者は、被害者の傷など知る由もなく、のうのうと生き、他の女性にもまた同じようにDVを行なっているのかもしれません。
もちろん向き合うことはとても辛いですし、もう過去のことだからいいのではないか、という考え方も十分正しいと思います。
でも私は元彼に心を蝕まれているような感覚から解放されたいものの、家族にも友人にも相談できず苦しんでいました。
そして何より、辛かった過去を美化したり忘れてしまおうとしたり、自分に嘘をついて生きていることが耐えがたいほど苦しかったです。
今はもう家族にも全て話すことができました。
きっと悲しませてしまったと思います。
それでもやっぱり言ってよかったと思っています。
もし、同じように苦しんでいる方がいるのなら、思い切って傷を治してみるのもいいのではないかと思います。
日本のDV被害について
日本ではDVへの認識や理解が非常に低いと思います。
先に述べた通り、4人に1人はDV被害に遭ったことがあるのです。
それにも関わらず、「痴話喧嘩」「警察に行くなんて大袈裟だ」という社会の偏見は減りません。
DV被害防止の進んだアメリカでは、被害者を守るシェルターや、加害者の更正プログラムの実施などが行われています。
日本での認識が変われば、もう少し被害者が相談しやすい社会になるのではないかと思います。
名も無い私の拙い文章で、何か変えられるとは思いません。
それでも、自分の苦しかった過去から、少しでもDV被害の残酷さに関心を持ってくれる方がいれば幸いです。
最後に
幸いにも私は周りに協力者がいる恵まれた環境にいました。
でも、そうではない人が大半だと思います。
加害者に思考力・抵抗力を奪われ、隔離され、密室で行われる犯罪だからこその問題だと思います。
相談したいけどできる人がいない、そんな人は警察や相談センター、なんなら私に相談してもらうのでも構いません。
味方はたくさんいます。
一人で抱え込まないでください。あなただけの問題ではありません。
この世からDV被害がなくなりますように。