劇団美松「曽根崎心中」
とても面白い作品でした。
「曽根崎心中」を新作として上演すると聞いて仲間と観に行きました。歌舞伎で二度ほど観たことがあります。歌舞伎座でかかることは少なくて、以前の歌舞伎座「さよなら公演」と新歌舞伎座「杮落とし公演」で楽しみました。
ともに藤十郎さんで拝見しました。杮落としでは一世一代のお初でした。観ることができて感動でした。私の宝物。
ですが。。そのこととは別に、心中物は得意ではなく、上方歌舞伎はなんとなくムズムズして(笑)物語的に観たいかと聞かれれば、あまり気が進まない方かもしれません。
大衆演劇を観始めて、歌舞伎と同じ演目を上演することが多いのが新鮮でした。小屋の規模からお金のかけ方まで全く違う世界観。どちらがいいのではなく、どちらもいい。
今回、浅草木馬館で公演中の劇団美松の皆さんが「曽根崎心中」を新作として上演するとあって興味があり行ってきました。
脚本を坪田塁さん、演出を座長の松川小祐司さん。
坪田さんのお名前は大衆演劇の新作で時々拝見してますし、9月の純弥さん「芸能生活45周年記念公演」のお芝居の脚本を書く方です。今、とても興味がある脚本家の方なので観たいと思いました。
曽根崎心中の作者である近松門左衛門が主役になり、歌舞伎や文楽ファンが嬉しい小ネタや、人気漫画の知る人ぞ知るセリフまで。それらがちりばめられているセンスが絶妙でした。
近松にまつわる逸話の一つから発想を広げ、小祐司さんの演出で誕生した作品は唯一無二の曽根崎心中になったと思う。
歌舞伎や文楽を知らなくても面白いけど、知っていればなお面白いと思うのです。
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