「山河」猿之助さんの事があった日
1年前の5月18日は猿之助さんの事件があった日です。
夢であってほしいとどれだけ願ったか。1年前、私は夜の部のチケットを持っていました。
歌舞伎がすごいのは、それでも昼夜の幕が開いたことです。コロナ禍に「幕を閉める」という、歌舞伎の歴史上なかった選択を歌舞伎界は強いられてきました。役者が休演した時は代役で幕を開けるのが歌舞伎です。
猿之助さんの代役で隼人さんが主演で夜の部が行われました。明治座のあの雰囲気は一生忘れないと思う。何が起こったのかわからないまま皆が必死でした。
当日のことは忘れないけど、猿之助さんがいないのに千穐楽までチケットを追加して公演を守ろうとした自分をよく覚えていません。必死でした。
「猿之助さんは必ず舞台に戻ってくる」
すぐにそう思えたし疑いもしていない。それは今もそう。でも。。歌舞伎座に行っても行ってもいない現実は、考えないつもりでも、身体にこたえていました。
私を救ってくれたのは大衆演劇や歌舞伎、友人たちでした。
3日前の15日。浅草木馬館の「三咲暁人座長昇進1周年記念公演」で恋川純弥さんの個人舞踊「山河」を観ました。暁人さんをお祝いする1曲でしたが、今の私にも響く曲と舞踊でした。
友人が撮影した「山河」の写真がその場の空気を伝えてくれています。
偶然にも事件の日を挟んで9日間も浅草木馬館にゲストで出演することになった純弥さんとのご縁を思います。事件の翌月からずっと私は救われてきました。
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