【マイストーリー】青山菜摘さん
「なぜか、最初から3回目の撮影のイメージだけ、すごく具体的に想像できてたんです」
そう言ったのは青山菜摘さん。
継続のフォトコーチングを受けることに決めたのは、ちょうどそのタイミングが自分の転換期だったことが大きい。
2019年にママのための手帳術×アドラー心理学の講師として女性の生活と心を調えるをテーマに起業し、昨年からカメラマンという肩書きも加わった。
2023年3月の写真展の会場に行ったとき、飾られている女性の写真たちとその空間に衝撃を受けた。
撮られた女性はもちろん、この会場に来るすべての女性が勇気をもって自分の行きたい未来に踏み出せる。その背中を優しくしかし力強く押してくれるような空気感と空間美。
私もここに飾られたい。
そして、私も自分のお客さんにこんな風に勇気をあげられるようになりたい。
そう思ったのを、今でも強く覚えている。
フォトコーチングのエントリーをした時は、とにかく一度撮られてみたいという軽い気持ちだったが、個別相談でemmyの話を聞いているうちにこみあげてくるものがあった。
女性ひとりひとりの可能性を信じていること。信じるからこそもっと自分らしさを社会に表現できる女性を増やしたいこと。その基盤を作るために、今度の写真展で一度カメラを置こうと思っていること。
かわいらしい見た目とは裏腹に物静かで、心のうちにマグマのような熱い芯を持っている。
カメラマンとして美しい写真を撮るだけでなく、優しさも強さもある一人の女性としても尊敬できる。なんて素敵な人なんだろう。この人と一年間一緒に過ごしたらどうなるだろう。この人と一緒にいたい!心が奮い立った。
きっと何かが変わる。
その直感を信じて、継続のフォトコーチングを申し込んだ。
実際にemmyと対話やメッセージのやり取りをしてみると、とにかく自分以上に自分を信じてくれているのが端々から伝わってきた。
「絶対にあなたは大丈夫だよ」「絶対にできるよ」
言葉にされるときもあればそうでない時もある。
とにかく、120%の信頼されている。
だから、つい怖がってひるんでしまいそうになっても、自然と背中を押されて前を向けるようになっていく。そしてなにより相手をそれだけ信頼するということは、自分自身も自己対話や成長を重ねていないとなかなかできることではない。だからこそ自分も頑張ろうと勇気をもらっているのだと思う。
個人起業主という職業柄、SNSなどの発信に商材写真が必要だったのもあり、プロのカメラマンに何度か撮影をしてもらってきた。だから、普通の女性よりも多く「撮られる」という体験はしてきたし、撮られることに対してのわだかまりのようなものはなかった。
ただ、emmyの撮影は、今まで受けたどの撮影とも印象が違うものだった。
商材写真のように外に向けての発信が目的の撮影とは違う、言うなれば内観することを目的とした撮影。
自分の美しさ・自分の魅力。撮影を受けることで気づいた自分を言葉にして、さらに見つけて深めていく。内に深く潜っていくことで、深い部分の自分の魅力を受け取っていくような、とても静かな時間だった。
もちろん、自分をよく見せるための撮影にも良さはある。
SNSにアップして、かわいいとコメントがもらえたら嬉しいし、自己肯定感も上がる。
ただ、周りが素敵だと言わなくても、自分自身が素敵と思えるピュアな自分を許していくような時間は新鮮だった。
特にそれを感じたのは2度目の撮影の時だった。
その時の自分は、無になって撮られていることが多かった。
素の表情にコンプレックスがあるわけではない。ただ、綺麗にしていたり、かわいい表情を作っていた方が写真を見る側もきっと楽しいだろう。持ち前のサービス精神からそう思っていただけに、わざわざ素の表情を撮られようとは思っていなかった。
言うなれば、家の中でスッピンパジャマでいる感じ。
わざわざ外に出すものでもない、なんとなく恥ずかしい自分。
そんな表情をemmyは撮ってくれていた。
どんなあなたも素敵だし、どんな姿をしていてもいい。
その内なるメッセージを受け取りながら、無の自分も心地よく感じていた。
「無防備な自分をあえて外に出していくことは、偽りのない存在として人から信頼されることでもあり、さらにそれが巡り巡って自己信頼になっていくよ」
それならば今まで見せていなかった素の自分も、ありのまま愛してあげたいと思えた。
あえて隠しておくべきだと思いつづけていたら、思考のブロックになっていたかもしれない。それをプラスの視点に思考の変換をさせてもらうことが、この半年小さく確実に積みあがっていった。
実際のところ、SNSに「スッピンパジャマ」の自分を載せてみても、特別強い反響はなかった。やはりみんな目を引く写真が好きだ。かわいい・キレイな写真や、何かを伝えようと意図がある写真のほうに魅力を感じてくれる。
でも、その中でも自分の本質的なものを見てくれていたり、内面の変化に気付いてくれた人もいた。「菜摘ちゃんのそんな一面も素敵だね」とわざわざ声を掛けてくれる人もいた。
なにより、SNSにアップしようと思った自分自身の心境の変化のほうが驚きだった。
どう見られるかを気にした「出すべきもの」よりも、自分の好きなものを出してみる。
素敵って言われるために写真をアップするのもいいけれど、自分の心の底から湧いてくる想いを言葉にしたり、そんな写真を選んでみるというチャレンジだった。
起業して4年。
ブログやSNSを通して、発信を始めて同じだけの時間が経った。
売上を上げるためには発信はつきものだ。
だから、発信は「しなくてはならないもの」だった。
ところがこの春、変化があった。
様々な要因があったのだが、発信を続けることに違和感が出てきたのだ。
環境や自分の行動を変えて、今は立ち止まる時期かもしれない。
そう思い、起業後ずっと続けてきたメールマガジンを休止することにした。
emmy自身の発信や、継続コーチングを受けている仲間の気づきのシェアを読んでいるうちに、言葉の力を感じていった。気づきをシェアしたことで、さらに美しく変化していく人たちがいる。発信の根底にある想いが伝わることでたくさんの人を力づけている。そんな言葉の力をもっと信じてみたい。
写真を撮ることも表現ならば、言葉で伝えるのも表現。
だからこそ、「やらなくちゃ」ではなく「やりたい」からこその、想いを伝えることを目的に発信を見つめなおそうと、意識がどんどん変化していく。
起業のきっかけは、子育てだった。
「私、鬼ママだったんですよ」とほがらかに笑う姿に、「鬼ママ」のイメージはまるで合わない。
ただ、本人曰く「家の中が鬼の巣窟になっていた」のだという。
横浜で生まれ育った彼女が大学時代に出逢ったのは愛知県出身の男性だった。
いずれ彼は家業を継ぐために名古屋に引っ越す。
生まれてから就職まで住み慣れた地元は離れがたかったが、夫となった彼と名古屋へ引っ越し、3人の子宝にも恵まれ専業主婦になった。
しかし、子育ては苦難の連続だった。
思い通りにならない。
その連続がこんなにも精神を乱すのか。
当時を振り返れば、「べきねば」が多かった。
しかしそれが当たり前だと思っていた。
実家は遠い。
子育てを実践的に学ぶ場も少なかった。
育児書を読んではこれができなくてはダメなのではとがんじがらめになり、こどもたちを何とかコントロールしようとしてもそれが出来ないことにイライラする。
そして、そのイライラを子どもにぶつけて自己嫌悪に陥る。
まさに悪循環だった。
これはよくない。一度精神科にかかろうか。
そう思っていたタイミングで、たまたま用事で行った区役所のチラシ置き場にアドラー心理学の子育てセミナーのチラシが置かれていた。
参加費はお財布に優しいワンコイン。
藁にも縋る思いで申し込むことにした。
行ってみると、目から鱗の連続だった。
何よりまず言われたのは「ただ知らないだけですよ」ということだった。
教科書も何もないところから急に実践するしかない育児。
それに必死になっていただけなのだと、肯定された。
自分自身をダメな母親だとずっとバツ印をつけてきた。
しかし、鬼ママになってしまうのにはちゃんと理由がある。
ママが怒ってしまう理由は、自分を守るためであり、子どもを守るためなのだ。
すべての選択は「善」が根底にある。
選択が自分にとって不本意だったとしても、その奥には誰かを守るための善の気持ち・メリットがある。だから人は選択する。
行動の奥にある「子どもを守りたい」という想いまで、バツをつけなくてもいい。
振り返れば、自分の人生はネガティブだった。
子どもの頃は活発だったけれど、成長してたくさんの人と出会っていくにつれて、自分はそこまで「すごくない」のではないかと思うようになった。
何がきっかけというわけではない。
ただ、「すごくない自分」という自己イメージが固定化していくにしたがって失敗が嫌になった。
だから、チャレンジもしない。安定志向で、平凡な人生を選んできた。
そしてどこかで自分の選択をいつも間違いだと思っては後悔していた。
夫や、職場の同僚や、環境や仕方のないもののせいにしてきた。
その自己認識が一気にひっくり返った。
嫌だと言いながら、夫について名古屋に引っ越してきたのも、夫や夫の家族を守りたかったから。
子どもたちに怒ってしまうのも、安全に育ってほしいから。
自分が選んだ選択肢には、ちゃんと自分の願いが反映されていた。
過去のすべては無意識でも主体的に選んできたのだと気づいたとき、私は自分の人生を生きてきたんだと心が震えた。
アドラーの考え方は、自分と繋がれて、自分の心とも向き合える。
鬼ママ卒業だけでなく自分の人生を変えた気づきを、忙しいママたちに伝えたい。
そして、ひとりでも多くの女性が楽になって、そして自分を生きる勇気をもって羽ばたいて欲しい。
3回の写真撮影を通して、力が湧いてくる感覚を如実に感じていた。
川の中で自分のことだけを感じる時間と、ほっとする感覚を受け取った1回目。
すっぴんパジャマな、ありのままの自分を認めていくための2回目。
3回目の撮影だけは、2回目を撮る前から撮りたいイメージが湧いていた。
ピンと来た服を春のうちに予約した。イメージに合わせたお花をお願いしたり、ヘアメイクを頼んだり、ひとりではできないものを、チームで創り上げていくような時間だった。
継続フォトコーチングの最初のオリエンテーリングで、「写真展をどんな気持ちで迎えていますか」という問いがあった。
周りの人から祝福されているイメージが浮かんだ。
「開催おめでとう」というよりも、「なっちゃんよかったね」と祝われて、安心して自分らしく次のステージへ進んでいく。「門出」のような新たなる出発点になる。そんなことをノートに綴った。
2023年の写真展の衝撃を、今でも忘れられない。
飾られた人も、来場者も、自分の中の願い・望み・本当はこうなりたいという欲求が肯定されている空間。さまざまな想いが、あの空間に行くと触発されてしまう。
そんな場所だったからこそ、自分も撮影を受けることを決めた。
3回目の撮影。
スタジオで撮影しながら、emmyはずっと「青山菜摘」の未来を感じながら写真を撮ってくれた。ただ綺麗な写真ではなく、写真展に飾られることと、その先の未来を見据えて撮ろうとしてくれているのが、ひしひしと空気を通して伝わってくる。撮影の現場は、チームが一丸となって美しい世界観を作り上げていく神聖な空間だった。
だからこそ、自分も次のだれかにバトンを渡したいと思った。
会場で自分の写真を見てくれた人が、希望や、勇気を受け取ってくれるような。
「今は不安かもしれないけど、あなたなら自分の願いを叶えられるよ!」
自分がたくさんの人に背中を押してもらって今があるように、自分自身も誰かの背中を押せる人であり続けたい。
撮影を終えて、「確信」という言葉が胸に広がっていた。
自信をもって今まで進んできたはずだったのに、足元が揺らいだ2023年初旬。
様々なことに疑心暗鬼になって立ち止まらざるを得なかった。
それをこの数か月、撮影だけではなくたくさんの人に支えられて、足元を見つめなおしたり、軸を定めたり、話を聞いてもらって、足場を固めていった。
emmyや仲間、それ以外にもたくさんの人に力を借りたからこそ、まるで登山をするように、一歩ずつ自分の中で「確信」が深まっていく。
願いは、叶う。
やっぱり私は大丈夫なんだ。
ひとりだけでは、途中で引きかえしたかもしれない。
山を登るのは大変だ。
とくに9合目の坂は誰だってしんどい。
今度でいい。
私にはできないかも。
そんな言葉で自分を慰めて、背中を向ける人はきっと自分だけじゃないはずだ。
でも、自分を信じてくれる人がいる。
一緒に頑張ってくれる人がいる。
その存在に力をもらって、山を登りきることができた。
「安心して、自分らしく生きたい」
オリエンテーションの時に望んでいた願いは写真展を前に叶っているだけでなく、これからの未来まできっと大丈夫だ、次も叶うと確信している自分になれている。
「その望みを実現するために、何を辞めますか?」
その問いに、「外野の声を気にすること」と書いていた。
今、それもあまり気にならなくなっている。
むしろ「いいね!」といってくれる人が思っているよりもずっと多いことに気が付いた。
年末から、カメラマンとしての一大イベント「100人無料撮影」を始めた。
思っている以上に、たくさんの人から熱いメッセージをもらった。
会うのははじめましてだけれど、わざわざファンレターを書いてくれる人。
鬼ママからの変化を綴ったメールマガジンに救われたという人。
手帳講師としての発信から、実践して日々の変化を感じた人。
自分は、自分が思っている以上に、誰かの力になっている。
人を感化させる能力、影響力、そして人を信じる力が、自分にちゃんと存在している。
私って実は「すごい人」かもしれない。
自分が紆余曲折して学んで変化してきたように、自分が関わった人たちにもハッピーな変化と未来がきっとある。
だから、自分を持て余している場合じゃないぞと、強く思った。
今年限りだというemmyの写真展。
女性が勇気をもって踏み出せるあの空間を作りあげるのは、本当に大変なことだと思う。
しかし、あの空間があるからこそ、女性が勇気をもって踏み出せるきっかけが自分以外にもたくさん生まれているはずだ。
その文化を絶やしたくない。
自分のことを信じてくれる人がいる。
それだけで、人の人生は大きく変わる。
だからこそ次は自分が、誰かを信じる側になりたい。
どんな形かはまだ分からないけれど、どんな形でも写真で女性たちに勇気を与える場を受け継ぎたい。
emmyの想いのバトンを受け取って、彼女は次の未来へと進んでいく。
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