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アラフォー女子フィリピン留学記⑦3人部屋の共同生活
クラークCIPでの短期留学生活も2週目に入り、生活面でのストレスは頂点に達していた。3人部屋での暮らしが辛くなってきたのだ。
ルームメイトは中国人と日本人、二人とも20代のいい子たちだ。ただ、いかんせん生活のリズムが合わない(もちろん相手もそう思っているのは間違いない)。
フィリピンに来てからというものの、朝のコケコッコーで目が覚め、目覚ましなしでも5:30~6:00に起きるようになってしまった私(きっと気が張っていたのだろう)。
朝に部屋を抜け出して、敷地内の秘密の花園(勝手に命名)でコーヒーを飲みながら勉強するのが気持ちよく、すっかり日課になっていた。
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■不意打ち
この「朝活」にすっかりご満悦、るんるんで過ごしていたのだが……
10日ほどたったころ、「ねぇ、Ayaって毎朝何時に起きてるの?」とおずおずと中国人ルームメイト。
おや、気づきましたね。私のナイスな朝習慣に。
「ふっふーん、なんと5:30に起きて勉強しているんだー!」と何ならどや顔で返事をすると、
ルームメイトは顔を曇らせてぽつり。
「そうなんだ……
実は、朝の準備の音で目が覚めちゃって、その後眠れないんだ」。
な、な、なんですとーーーー!!!!
がらがらがっしゃーん、と何かが心の中で崩れ落ちた。
いやいや早く言ってよぉ、もう10日目だよ!?
私のどや顔をつねり上げてやりたい。
本当に申し訳なくて、穴があったら入りたいとはこのことだ。
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それからというものの、ルームメイトに迷惑をかけないため、涙ぐましい努力をした。
気持ちいい朝週間を崩したくはないため、朝の準備のノイズを最小限に抑えるのがミッションになった。
まず前日のうちに、教材、洗顔&メイクセット、朝のコーヒーセットなどすべてリュックに詰め、翌日の洋服を着て就寝。そしてパブリックトイレで朝の準備をすることに。
しかしそこはフィリピン、全体的に水回りが不衛生なのが辛かった。
ちゃんと掃除してくれる人はいるのに、積年の汚れがもうしみついているのだ。
顔を洗っていると蚊がぶんぶんと寄ってくるし、虫刺され防止スプレーは欠かせない。日本から持ってきた携帯用のものが1週間で切れ、慌てて買いに走ったほどだ。蚊に刺されまくって肌もぼろぼろ(虫よけスプレーは大量に持っていくべし。現地でも買えるが、スプレータイプが少ない)。
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ついでに言えば部屋のシャワーのお湯はぬるく水圧も弱く、たまにトイレの水が流れなくなり、部屋にはヤモリはもちろんのこと、1度黒光りする物体が出たときには本当に帰ろうかと思った。
(こんなときにも、若かりし頃は東南アジアの激安ドミトリーに泊まっても耐えられていたのに、と老いを感じた)
この涙ぐましい努力がたいへんすぎて、結局朝の外での爽やかな勉強タイムは断念。朝はやくに目が覚めてもベッドでこそこそとスマホで勉強したりしていた。とほほ。
■洗濯事情
洗濯も悩みのたねだった。学校にお願いできるサービスもあったのだが、頼むのが面倒&生乾きで帰ってくるとの噂で結局使わず、学校にある洗濯機を使用することに。しかしフィリピンの気候が思いのほかカラッとしておらず、干してもなんとなく変なにおいがしてくる……。
2回洗い直しても生乾き臭がしたときは、もうストレスでニキビが噴き出るかと思った(あ、もうこの年だと吹き出物ですね)。
あとで友達に聞いたら、近くにあるプロのランドリーサービスに頼むのが多少高くとも一番、とのこと。パリッとしたシャツの美しさに、友達はうっとりとしていた。
■食事の苦労
そして最大の難点は、ご飯が口に合わないことだった。お酒と食をライフワークとしている私にとって、これは辛い。
平日は飲まないと決めていたため(そもそも学内はアルコール持ち込み禁止)、憂さを晴らすお酒の楽しみもなく、2週目はかなり応えた。
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CIPは韓国系資本のため、たまに韓国料理が出たり、フィリピン風の料理が出たり、と工夫がなされている。でも、一週間もすれば飽きて日本食が恋しくなった。
市中に出て気分転換しようにも、フィリピン料理があまり好きになれなかった。
エスニック料理は大好きで、タイ料理やベトナム料理は日本でもよく食べる。だが、フィリピン料理は、甘みや酸味が極端すぎたり、異様な「におい」を放っている発酵料理があったり、なんとも言えず好みに合わなかった。
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■開催されないアクティビティ
授業の後には、ヨガやズンバなどアクティビティがある曜日もあると聞いていて、アルゼンチンあタンゴを踊る私としては、ズンバのクラスにぜひとも参加してみたかったのだが、結局キャンセル、キャンセルばかりで1度も開催されているのを見かけなかった。
毎日食っちゃ寝ならぬ食っちゃ勉なので、動くのが好きな人は、身体がむずむずしてくるだろう。
プールや体育館はあるので、放課後には泳いだり、体育館で運動したりしている人もいた。
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水着も持ってきたのだが、結局一度も使わなかった。くすん。
*留学体験記についてコンパクトにまとめた記事はこちら。
→「TOEIC890点でも会話苦手」からの『1日10時間英語漬け留学』顛末記