◆アジア大会と初デモ
昨日、通っているタンゴ教室のミロンガでデモをしてきました。
アマチュア(しかも歴3年の、初心者に毛が生えた程度)の私がデモをするなんて、と思ったけれど……結論から言うと、とてもいい経験になりました。
きっかけは、今一緒に練習しているパートナーとの目標設定として、アジア大会へエントリーしたこと(!!!)。
そのための度胸試しとして、先生から「頑張っている生徒さん」枠でデモの機会を頂いたのでした。
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コンペに出るのも人前で踊るのも、ちょっと前の自分では考えられなかったこと。1年前の自分が見たらびっくりするに違いない。
自分の踊りを人に評価される?そんなのやだ。「アートであるタンゴに点数なんてつけられないでしょ」と思っていたし(今でも)、そもそも私は人に見せるために踊っているわけではない。
それでもチャレンジしようと思ったのは、とにかくもっと上手くなりたいから。
「タンゴを上手くなる」って何?
前にある人に質問されて、そのときはうまく言語化できなかったけど……「踊りを通して音楽や自分を最大限に表現できること」はその一つだと思う。
今の、「誰のリードでもとりあえずフォローできて動ける」という段階から抜け出したい。
そういう踊りはつまらない。
フォロワーは確かにリードのなかでしか表現できない制約があるけど、だからこそ「私は音楽をこう聴いている。だからこう動きたいの」という意思を表現したい。
デフォルトでできる人もいるのかもしれないけど、私にはもっと訓練と経験が必要(シャイだし……涙)。
漠然と練習するよりも、なにか目標があると練習にも身が入ると思ったのだ。
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そして初デモ。同じ日にデモするペアがもう1組いたので、1組ずつ各1曲、2組同時に1曲、計2曲踊ることになった。
私たちペアは比較的ダイナミックな動きが得意なので、1組だけで踊る曲には、あえてちょこちょこした動きが必要になるリズミカルな曲に挑戦。
事前に踊る曲を決めたので、「見せ場のメロディーの部分は、こう踊ろう」「このシンコぺーションの音を活かそう」など大まかな音楽マップだけ事前に決めた。息が合わない部分やステップはその部分だけ繰り返して練習し、ノイローゼになりそうなくらい曲も聞きこんだ。
1曲を完成させるって勉強になる。
(もう1000回は聞いたPocas Palabras)
当日の踊っている時間はあまりに一瞬過ぎて、もっと踊っていたかった、とすら思った。
先生から「アドルノもちゃんと入れてたよー」といわれたけど、勝手に体が動いていただけで、正直あまり覚えてない。
小さな会場なので観客が近くにいるはずなのに全く視線も気にならなくて、途中の掛け声や拍手で、「あ、そうか皆に見てもらっているんだ」と現実に引き戻された感。むしろ、踊っている間よりも前後の時間の方が緊張……。
(デモ組が、直前に虚な目をしてワインをがぶ飲みしてるのには我ながら笑えた)
楽しいと思えたのは、驚きだった。
→もっというと、こういう機会を楽しめる自分に驚いた、というのが正直な感想。パートナーにも言われたことだけど、普段と違う追い込まれた状況でだけ出てくる、自分が知らない第三の自分がいるのかもしれない。
だから新しいことに挑戦するのは面白い。
もっと未知の自分を見てみたいと思ったし、それを引き出してくれるタンゴは改めてすごいなと思いました。
アマチュアのつたないデモでも披露する機会をくれた先生、応援に来てくれたお友達、温かく見守ってくれたお客さん、何より一緒に練習してくれたパートナーに感謝です。