◆DAY78 抱擁力
*2019年*10月28日*
今日のレッスンでは、アブラッソ(男女の組み方)について根本的な部分を注意された。
組んだ時に、「軽い」と指摘を受けたのだ。
全体的に足元がふわふわして浮遊感がある、というのは前にも指摘されたことが何度もあるけど、ただ組んでいても軽いとは……ショック。
先生が私と組んだ時の感じを真似してくれたのだが、ほんとうにふわっとしてて、一緒に踊ってるという感覚(コネクション)がかなり弱かった。
軽いと言われたのには、正直ショックを受けた。
いい歳してふわふわしている今の私、浮ついた生き方が、タンゴの踊り方にも現れているんじゃないかって。
ほんとうにタンゴって、怖い踊りだと思った。
すべてを見透かされる気がする。
✳︎
アブラッソにおける「圧」について改めて教わったのは初めて。
「一番の先生は、ハルティーナさんだよ」とたけし先生。
(ハルティーナについては前回の記事「◆DAY72 踊れることは、当たり前じゃない」を参照)
「言葉で説明するよりも盗んでほしい」と、ハルティーナと私で組んで、私がリードすることになったのだが……(バルドッサのみ)
結局私のリードが下手すぎてうまくいかないし、重要なのはリードを覚えることではないから、静止してアブラッソするだけになってしまったけど。
改めて組んでみると感じる、クローズドで組んだ時の、ハルティーナの「圧力」。
胸と腕でしっかりホールドするという外部からの圧力(ぎゅっとハグする感覚)ももちろんあるけど、それよりもエネルギーの圧力、生命力の強さを組んでると感じる。メラメラ燃えてるものが、粒子となって空気を伝う感じ。
組んだ時に、「ああハルティーナだ!」という感覚。これは真似しようとしても、できるものじゃない。
ハルティーナに、「組んだ時、めらめら燃えているようなエネルギーを感じた」と伝えると、
「踊っている時に、自分がふだん隠しているものが出る気がするー」といっていた。だから、タンゴを休むと調子が悪くなる、と。
それは喜怒哀楽のなかでいくと、怒りの感情に近いという。
「ふだん、他人に対して怒れず喧嘩もできないことがコンプレックスなんだ」とハルティーナ。
怒り、とするならば、あの火のようなエネルギーには確かに納得がいく。
そのあとたけし先生と踊った時、先生があえて踊り方の圧を強くするのを感じたので、私も「負けまい」と闘志を燃やした。
そうこうするうちに、
「タンゴは気と気の戦いなのか?相手にのまれまいとして、激しく生命の炎を燃やす踊りなんだろうか」という気になってきた。
うーん、よくわからない。
アブラッソ……組まずには踊れないから、基本中の基本のようでいて、とっても難しい。きっと組む相手によっても変わる気がするし。
このあたりはもう少し掘り下げていきたい。