「私色きらめき日和 feat. POPY」について
はじめまして。曲作りをしている、ますかっと、といいます。
この度、バンドリ公式様主催の「夢ノ結唱作曲コンテスト」に「私色きらめき日和」という楽曲を制作し、参加させていただいております。ここでは楽曲制作の裏話や曲に込めた想い・小ネタなどを書いてみたいと思います。
↓↓「私色きらめき日和」のMVはコチラ
ガルパ実装に向けた投票を実施中です!もしいいなと思っていただけましたら下のツイートから④「私色きらめき日和」をポチッと応援していただけるととても嬉しいです…!
1. コンセプトと曲名について
今回、コンテストに向けた楽曲を制作するにあたり、一番悩んだのがコンセプトでした。最初に悩んだのは「『ポピパらしさ』を出すか」という点です。今回歌ってもらうPOPYちゃんはポピパの香澄(CV:愛美さん)の声から生まれたAI歌姫です。なので、当初は香澄とのつながりを意識してポピパらしい爽やかでキラキラしたバンドサウンドのロック曲にしようかと思いました。しかし、香澄ではなくPOPYに歌ってもらう楽曲ならば、むしろ普段のポピパならやらないような、普段の香澄の声では聴けないような曲を作ったら面白いんじゃないかと思いつき、最終的にエレクトロの要素を使った音作りを採用しました。
一方で、歌詞に込めたコンセプトは「香澄の目を通してみる世界」が出発点になっています。これは、曲作りの最初の段階で香澄の口癖である「キラキラ・ドキドキ」を絶対に使おうと決めていたためです。香澄はいつもキラキラとドキドキを探していて、たぶん普通の人が何気なく過ごしている日常の一コマ一コマにもきらめきを見出していて、毎日が磨けば輝く宝石(=結晶/唱)のまさに「原石」みたいに見えてるんだろうなと思います。そんなことを考えていたらその考え方がとっても素敵だなと思って、と同時に、「私」の考え方ひとつでそんな風に毎日を見ることができるのかもな、とも思って「星屑みたいな毎日も私色に染まってく こんな毎日はキラキラの原石だね」というサビのフレーズが最初にできました。ここの「私色」には「香澄の目を通してみた世界だけど、そこに色を付けるのは『私』である『POPY』」という意味も込めています。香澄から生まれながらも、創作者の思いの代弁者となり、十人十色の「私色」を作ることができるPOPYにぴったりの言葉だなと気に入っています。
そんなこんなでこのひとフレーズができたあたりで曲名を「私色きらめき日和」にした記憶があります。朝の天気予報で「今日も私色のきらめき日和でしょう!キラキラとドキドキを追いかけてお過ごしください~」と言っているようなイメージを曲名に込めました。
2. コロコロ変わる曲調について
この曲の大きな特徴に「曲調がコロコロ変わる」というのがあると思いますが、これには理由があります。先述した通り、あえてロック調でない曲を作ろうと思った結果、自分が好きであり、かつかわいらしいPOPYの声で聴いてみたいと思ったジャズ調のカワイイ曲を作ろう、という結論にたどり着きました。ここでポイントになるのは、今回の曲は100秒~2分という長さの規定があったことです。これは、いわゆるアニメサイズ(89秒)よりは長いが、2番まで作るにはさすがに短すぎる、という絶妙な長さで、2分間の間飽きさせないよう展開を工夫しなければと思いました。そこで、Bメロで拍子を3拍子へ変えたり、アウトロは2倍のテンポでドラムを刻んだりと、展開を目まぐるしく変えることを意識しました。また、アウトロではPOPYが「シャバドゥビダバ~」みたいな歌い方をしていますが、これは「スキャット」という主にジャズで用いられる手法です。このよう特殊な歌い方も採用して、とにかく「飽きさせない2分間」というのを意識しました。
3. イラストとMVについて
今回、MVつきでの楽曲制作というのが規定であったため、なんと初めて自分の曲にMVをつけていただきました!自分の曲に動画がついて動くことが本当に本当にうれしくて感激でした。最初に動画担当の楪さんから進捗として20秒ぐらいのサビのラフが送られてきた日には、まさに有頂天で、その20秒だけを何十周も観て、ひたすらにやける、というのをしていました。。。
イラストは曲のイメージが固まったあたりで青羽星乃さんにお願いしました。青羽さんは雪ミクのイラストで知って以来、個人的に前々からファンで、ポップでかわいらしい絵柄とカラフルな色使いが大好きでした。今回曲調が定まったところで、青羽さんの絵なら今回作ろうとしているかわいい曲調にハマるんじゃないか、と思いご依頼させていただきました。何より、私自身が「青羽さんの絵柄でPOPYちゃんを見たい」と思っていましたので、引き受けていただけたときは本当にうれしかったです。ちなみに青羽さんに描いていただいたイラストの全体図は青羽さんのTwitterから見られます。背景も描きこんでいただいてるので、ぜひチェックしてみてください!
動画は楪のどかさんにお願いしました。楪さんは動画を担当してくださる方をTwitterで探していた際にたまたまお見かけしたのですが、過去に制作された作品がどれも素敵で、すぐご依頼しようと決めました。実は私が以前参加したDJイベントで流れていた「わちゃわちゃワンデイ」という楽曲のMVも楪さんが手がけられていて、自分の中で不思議な縁を感じたのも決め手でした。お忙しい中引き受けていただいて、しかもめちゃかわいく仕上げていただきました!楪さんはほかにもVtuberさんの歌みたMV制作などでご活躍されています。ぜひTwitterなどチェックしてみてください!
この素晴らしいお二方のおかげで、初めてのMVにはもったいないくらいの、本当に素敵な作品になったと思います。このMVに自分の曲の魅力を何十・何百倍にも増していただいている気がします。この場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました…!
4. (おまけ)小ネタ解説など
小ネタです。
①某ハッピーなワールドにハローしているバンドへのオマージュ
実は曲の最後の最後に自分がバンドリの中で一番好きな(思い入れのある)曲をオマージュしています。お気づきになりましたか???
正解は、ハロー、ハッピーワールド!の「キミがいなくちゃっ!」でした!「キミがいなくちゃっ!」の最後に出てくる「ちゃっちゃらっちゃーら」というキメ(上の動画で1:40~)を私色きらめき日和の最後にも採用しています。気づいた人いるかな。。。
私はこの曲がとても好きで、ハロハピのわちゃわちゃ感が楽しく表れているところがお気に入りです。ストーリーを読んで聴くと歌詞も沁みますよね。せっかくバンドリにかかわる貴重な機会をいただけたのでお気に入りのこの曲へのオマージュを入れようと最後に盛り込んでみました!
②アウトロのオマージュ
スキャットが特徴のアウトロにもいくつかオマージュ要素を入れてます。まずPOPYにスキャットさせる、という手法については、合成音声×スキャットの第一人者であるOSTER project先生を意識しています。また、アウトロの左側で鳴っているソロギターとスキャットの一部フレーズはRH FactorというバンドのCrazy Raceという曲を少し意識していたりします。さらに、ピアノのフレーズはRed Garlandというジャズピアニストを意識していたりと、アウトロ部はほんのり全体的にジャズ方面へのオマージュを意識した小ネタを盛り込んでいます。気になった方はぜひそれぞれの元ネタも聴いてみてください…!
③調声について
今回は調声をかなり気合いを入れて行いました。POPYのかわいらしさを残しつつ、できるだけ合成音声特有の「わざとらしさ」みたいな機械っぽさを少なくして自然な感じにできるよう試行錯誤しました。また、POPYならではの要素である「@」や「^」といった特殊記号もところどころ使用して単調な歌い方にならないよう工夫しました。歌の感じが好き、という感想もいただけたので、こだわってよかったなと思います!余談ですがこれらの特殊記号の効き方がかなりいい感じで、いろんな歌わせ方ができるなと思いました。CeVIO AIライブラリの中でもかなり万能な方だと思うので、POPY気になっている方はぜひご検討ください…!
5. おわりに
まず「私色きらめき日和」を聴いてくださり、そしてここまで読んでいただき本当にありがとうございます!こういった「セルフライナーノーツ」的なものに前々から憧れがあり、でも受け手の解釈を狭めてしまうかな、、、とも思ったりしたのですが、せっかくの機会なので書いてみることにしました。この記事を通して「私色きらめき日和」の魅力がさらに伝わっていれば幸いです。最後に、重ねてのお願いになってしまい恐縮ですが、ぜひ投票での応援もよろしくお願いします…!
ありがとうございました!
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