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冒険へ出るのだ

小学校の頃、毎年遠足で通っていた動物園の思い出は今もむちゃくちゃ楽しかった記憶となってずっと心に残ってる。

そしてあれから30年以上が経ち、世界中の野生動物が次々と絶滅の危機に迫られてるというリアルの中、30年前と変わらず動物園で動物を見て、水族館で水槽の中の魚やイルカたちを見る習慣は今も変わらず、家族や学校の遠足、友達や恋人と訪れる人も多いと思う。

僕も実際アフリカへ行くまでは、檻の中で寝ているライオンや、同じ場所をぐるぐると回り続けるヒョウ、タイヤに座ってるゴリラ、敷地に数本植えてある木の葉を食べるキリンが本来の動物の姿だと思っていた。

そして30年後、初めてケニアの国立公園で見たゾウは、数頭の群れで草を食べ歩き、その近くではシマウマやウォーターバックなど他の動物達も一緒になって草を食べ歩いてる。
ジャッカルの住む穴蔵から、子供が顔を覗かせてる。
時々走り出す子ゾウの側で、飛んではまた近くに降り立つ鳥達。
遠くでガゼルの群が耳と尻尾を振りながらこっちを警戒してる。

ゾウが鼻で草を掴んで食べた!とか、キリンが道を走って横切ってった!とか、サイの子供が親のおっぱい吸ってる!!とかいちいち興奮してしまうのは、彼らがイキイキと生きてるからだとすぐにわかった。

それほど本当に全く違うのだ。


例えば野生のゾウが一日に歩く距離は平均で60キロ程、時には何日もかけて1000キロ歩くこともある。
一頭が60年〜80年間かけてそんな日常を送ってるのだから、ちょっと考えてみれば、動物園やサファリパークでの生活と比べれば全く違うのは誰だって想像がつくと思う。

本来は海外で暮らす動物達を近所で見られる時代というのはすでに終わりを告げていて、本当の野生動物を見る為には、飛行機に乗り、言葉のわからない国へ出向き、車でさらに移動して、苦労して辿り着いた自然の中でやっと運良く見れるかもしれないからこそ感動があるのだと、サバンナのやたらトゲトゲした草の中で知った。

手軽に覗くだけなら今は映像の方がよっぽどリアルで良質な物が見れるようになった。
動物達がわざわざ森の中で突然捕まって、遠い遠い国に一人孤独に送り込まれる意味がなくなったのだ。



冒険へ出るのだ!

一生分の動物園や水族館に行くお金をつぎ込んででも、今すぐ飛行機に乗るのだ。
一生に一度しか見れないかもしれない野生動物の誰か一頭に、その時巡り逢えるなんてロマンに溢れてる。

もうそれは運命そのものだ。

アフリカが遠いなら、日本という島の隣にも大きな鹿や熊、オラウータン、パンダ、ゾウ、トラ、夢のような動物がちゃんと生活を営みながら待っている。
僕らと同じように、家族や友達と日々を生き抜いている。

飛行機が苦手なら、わざわざ海外まで行かなくったっていい。
日本の里山にも熊や鹿、猿や狐達が人間のすぐ側で生活している。

海に出ればイルカや鯨にだって逢えるチャンスはある。
そうやって会えた時の衝撃は、きっと一生忘れられないものになる。

夢みたいな冒険がより面白く出来るような仕組みを、アフリカの友達達と一緒に作れたら最高だと、ドイツに帰ってから、どうすればそんな仕組みが作れるのか想像してみる。
動物園や水族館で彼らを想って働いてる人達をとてもリスペクトしていて、本当かっこいいと思う。
ただ、動物の生態系の為に広大な土地を使えない、そのシステム自体が無理なのだ。

コスタリカでは国内全ての動物園の閉鎖を決めたそうだ。
動物達を自然に還すプログラムも始まったという。

動物を愛して止まない人達ががんばる程、生態系が豊かになるような仕事が出来る時代がやって来たよ。





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Musashi
いや、これ誰かからサポートあった時ほんまにむっちゃ嬉しいんですよ!!