マリファナマーチで踊れ!(中)
夜も更けて、辺りが随分と冷え込んできた頃、森の会場でダンスパーティーが始まった。
ダンスフロアが見えた時には、既にフロアは大勢の人で盛り上がってて、初めて見る野外パーティーの光景と、トランスのズンズンとお腹に響くビートに僕はかなり興奮していた。
メインフロアの周りでは、焚き火スペースが何箇所かあって、火の周りでは、くっつきあって体を暖めてるカップルらしき人や、自前らしきブランケットをかけてすでに寝てしまってる人もいる。(ここで寝るんだ!カメラ以外、何も持ってきてない事を早速後悔する)
ちょっと草むらの上に腰を下ろしてると、すぐに凍える程寒くなるので、ダンスフロアで踊り疲れると、焚き火の周りに避難を繰り返しながら、太陽が昇るのを待った。
身体は疲れて眠いのだけど、目の前で想い想いに踊ってる人達を眺めながら、
今、自分は本当にオーストラリアのどこだかわからない森の中に来て踊ってるんだ!すげー!
という現実が、何だか逆に非現実的で可笑しくて、どうしても寝るのが勿体なくなって、足腰はもうガクガクなのに、それでもズンズン鳴ってるダンスフロアの中に入り込んでしまう。
周りで踊ってる人達も人目を気にしてる様子なんて微塵もなく、体を揺らしたり、激しく踊ったり、ヨガのポーズを決めてたりと、なんと自由な空間。
知らない人達と顔を合わせて踊るって、こんなにも楽しいのか。
空がじんわり明るくなってくる頃になると、段々と人の顔が見え始める。
夜な夜なひとつ屋根の下(デコレーションの下)で過ごした人達とは、お互い特に話したりはしないんだけど、目が合うと、にっこりし合うようになっていた。
まるで、よく朝まで踊りきったね!と、互いを称え合ってるかの様な、目が合う人達とにっこりし合ったり、ハグしたり、ハイタッチする時間が、たまらなく心地よくて、野外のダンスパーティーで踊り明かす楽しみを知ったのだった。
太陽が昇ると、それからぼちぼち寝始める人や、モゾモゾ焚き火の周りから起き始めて、ふらふらとダンスフロアに寄って行く人、そして見るからに今来たぜ!って感じの、フレッシュな顔ぶれがまたダンスフロアを埋め尽くしはじめてた。
ヘロヘロに疲れ果てた僕は、とりあえず寝られる場所を探しに、キャンプサイトへよろよろと戻るのだった。
つづく
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