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SPEAK NO EVIL との出会いの元を辿る。
ISLAND JAZZ BAND、【SPEAK NO EVIL】 の新アルバムが出た。
日本を代表する個性とスキルの集まった、無茶苦茶踊れて聞かせるバンドの2枚目のアルバムだ。
1st アルバムから始まって、なんと2ndアルバムでもジャケットを担当させてもらった!
【Late Bloomer】
(SPEAK NO EVIL ファーストアルバムより)
僕が SPEAK NO EVIL の存在を知った元を辿ると、そもそものきっかけは、10年前にメキシコのビーチで出会った、翻訳家の堀江 里美ちゃんだった。
【これまで堀江里美氏が翻訳した著書】
当時、ジャマイカから初めてメキシコへやって来た4日目の夕暮れ時、僕はシポリテというビーチに一人突立っていた。
数日前に、メキシコシティで知り合った日本人の旅人カップルに、行くならシポリテがおすすめ!と言われてやって来たのだ。
ここでひとつ迂闊だったのが、僕のたどり着いた日は丁度クリスマス明けで、ビーチは年末年始の観光客で賑わっていて、宿代が想像してたより倍くらい高い。
でかい荷物を引きずって、数件宿を周った所で疲れ果て、ビーチでこれからどうしたもんかと、ぼーっと考えてたのだ。
そんな時、どこからかふっと現れて、どうかしましたか?と声をかけてくれたのが里美ちゃんだった。
訳を話して、いっちょ高い宿に泊まるしかないか、と諦めかけてた時、今度はヒッピー風のおじいちゃんがフラフラッとやって来て、何やら話しかけられる。
全く何語で話してるのかもわかってない僕を横目に、里美ちゃんが代わりに会話を続けてくれた。(スペイン語もなんかペラペラだし!)
すると、思ってもみない言葉が飛び出した。
なんかこのおじさん、安い宿知ってるらしいよー。
はー!?まじで!!
ヒャッホーと、急に足取りが軽くなった僕は、彼に連れられ、知り合いっぽい宿に行ってみたら、ここも見事満室。
一瞬困った風のおじいさんは、ノープロブレム!と、またビーチを歩き出す。
そして次にやって来たのは、レゲエバーの中にポツンと建てられた半分壊れかかったテント。
恐らく前のお客がそのまま置いて行った物だろう。
確か一泊150円くらいだったと思う。
とにかく破格だ!僕はその壊れたテントで寝泊まりすることにした。
宿(壊れたテント)を紹介してくれた恩人のおじい。
夜になると、レゲエバーで華麗に舞ってたり、昼間は交通整備をかって出たりと、いつも自由に生きてる。
左隅に見える白いテントが僕の寝床、夜になるとダンスフロアに建ってることを夜になって知る事になる。
夜になると、朝までテント真横のスピーカーから出る爆音のせいで、全く寝られないので、結局遊ぶしかない。(既に寝床の役割を半分も果たしてない)
ここでまた新たな問題がひとつ、壊れたテントにはカバーがなく、中はスケスケな上、入り口のジッパーも半分くらいしか閉まらない。
カメラ機材とパソコンを持ち歩いてた僕は、さすがにこの状態で荷物を置いておくのはアホの極みだと、解決策を考えた。
答えはすぐに出た。(てか、それしか思いつかない。)
僕は里美ちゃんの泊まってる優雅なバンガローに出向き、荷物を置かせてほしいのよ!と頼みこみに行くと、彼女は快く承諾してくれた。
それから何度かご飯をご馳走になったり、僕のテントが置いてあるバーで踊ったり、里美ちゃんに好意を持つローカルの人の群れをなだめたりと、年末年始の間、ビーチでよく一緒に遊んでた。
里美ちゃんと、現地集合してたマヤちゃん。
むっちゃ仲良し。
言葉は通じないのに、日に日に仲良くなっていく感覚がたまらない。
里美ちゃんとマヤちゃんが泊まってたバンガロー。
朝、ここの前を通りかかると、花を持ってバンガローの下で待ってるローカルの人達を何度か見かけた。
お前アミーゴなのか!紹介してくれ!と頼まれたりもした。
そのテント周りに集まってくる人達がまた最高で、音楽家やアクセサリーを作って売りながら旅をしてる人、ゲイのカップル、
妹に作ってもらった大量のミサンガを売りながら旅をしてる学生など、次から次へと面白い人が集まってくる。
その殆どがまだ10代〜20代のメキシコ人だ。
全く言葉は交わせないのに、いつの間にか僕も彼らの中に入っている事が当たり前になっていって、時々一緒にヒッチハイクしながら、隣町まで遊びに行く様になっていた。
レゲエバーのオーナーとも、ちょくちょく絡むようになり、ある日声をかけられた。
金がないならここで働かせてやるぞ!
でもひとつ条件がある。
ここはレゲエバーだからドレッドのやつしか働けないんだ。
ドレッドにするなら無料でシャワーと水と酒を飲み放題付きでどうだ?
と突然問われ、ドレッドったってどうすりゃいいのよ。
と困ってた所、その話が聞こえたのか、後ろのハンモックでダラダラしてたアクセサリー売りの友達が、
俺がやってやるよ!
と、話に乗ってきた。(おいおいおい!)
でもお金がさあーと、もじもじしてると、
お金なんていらない。と言われて、断る理由もなくなってしまった。
そして大晦日と元旦をまたいで、色んな人に囲まれては髪を編んでもらい、新年早々、僕はドレッドになってたのだった。
ドレッドかあーと嘆いてたら後ろから現れた救世主。
やっぱりドレッドだった。
なんで編んでくれるのか聞いたら、
編んで欲しいやつがいたら当たり前だろ?
そのかわり、髪を切らずに育てて欲しいって言ってた。
ラスタマン。
レゲエバーのオーナー。
僕にはドレッドや!とか無茶を言ってくるけど、孫にはめっぽう弱い。
一度テントが壊れて(踊ってた人が僕のテントでこけて潰れた)じゃあと、テントに泊めてくれた子も、一本だけ作ってもらうことにしたんだって。
ここで出会う人のそういうところも好き。
里美ちゃんが送ってくれたメイキングドレッドの写真。
パーマいらずで、三つ編みからかぎ針を使って一気にあみ倒す。
さっき知り合ったばかりの彼と、なぜだかドレッドを祝う会が始まった。(明け方です)
ドレッドになって、旅はさらに加速していくのだけど、きっかけをくれた里美ちゃんと、この数年後、日本で再開して、SPEAK NO EVIL の巽 朗 君を紹介してもらうことになる。
人生はほんの一瞬の出会いと、その時の相性で、その後の人生ががらりと変わる事を知れた、とてつもなく大きな出来事だったことを、まだこの時は気づいてないのだった。
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