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東海道新幹線開業の日 (1964年10月1日)

 今からちょうど60年前の1964年10月は,1日に東海道新幹線が開業し,10日からは東京オリンピックが開催されて,日本中が湧き立っていた時でした.ちょうど高校生だった私は10月1日の朝に愛用のカメラを持って始発電車で東京駅に向かい,新幹線の発車式を撮影しました.当日の一番電車の写真などと共に,国立競技場で見学した東京オリンピックの陸上競技の入場券や都電,トロリーバスなどのオリンピック記念乗車券も紹介したいと思います.

 まずは開業前の新幹線試運転の様子から.1964年7月に大田区馬込付近で撮影した新幹線の試運転車両の写真です.ゆっくり走る0系車両のすぐ前を工事関係者が歩いています.また,左側には多数の見物人がいます.

1964年7月撮影の新幹線試運転車両.

 もう1枚私にとっては貴重な写真を紹介します.新幹線の試験車両1000型(A編成)の写真です.場所は鴨宮の新幹線の試験基地で,関西へ向かった中学校の修学旅行の際に修学旅行電車「ひので」号から撮影しました.この場所を通過する際には試験車両を写す瞬間を逃さないようにと「ひので」号のドアの窓から外に向けてずっとカメラを構えていたのを覚えています.(残念ながらカメラぶれのため,先頭部分以外がぼけています.)運転席の窓が量産車の0系とは異なっていることにお気づきでしょうか.

鴨宮試験基地にいた新幹線1000型試験車両(1962年9月撮影)

 10月1日6:00発の新幹線1番電車の発車式の様子.TVニュースや新聞記事ではテープカットの映像や画像が多く報道されていますが,これはその少し後ろ側で演奏していたブラスバンドの写真です.天井に吊り下げられたくす玉の下部がかすかに見えています.

発車式のブラスバンド演奏
隣のホームから撮影した発車式の先頭車両付近.
(くす玉の下でテープカットが行われる直前です.)
くす玉が割れて1番列車が出発しました..
1番列車を見送る人々

 開業当初の時刻表です.時刻表の注記では「ひかり」,「こだま」の名称は使われておらず,超特急(赤字),特急(黒字)と書かれています.基本的には超特急と特急が1時間間隔で交互に出発するという形になっていて超特急ひかり号の最終列車は20:00発,特急こだま号の新大阪行き最終は18:30発です.20:30発と21:30発の特急こだま号はそれぞれ名古屋行き,静岡行きです.また,時刻の横の△は18・19番線からの発車を示しています.なお,「ひかり」より速い「のぞみ」が走るのは28年後の1992年になってからです.

開業当初の時刻表.基本的には超特急(赤字)と特急(黒字)が1時間間隔で交互に出発

 当日の車内の様子も紹介します.初めて登場したビュッフェの人気が非常に高く,写真のようにごった返していました.

グリーン車の車内
普通車の車内
大混雑しているビュッフェ

 最後に東京オリンピックの入場券と新幹線開業関係の記念切符等を示します.入場券は国立競技場で行われた陸上競技の入場券で,料金はなんと100円と書かれています.

国立競技場で開催された東京オリンピックの陸上競技入場券と国鉄の新幹線開業記念品

 東京都交通局のオリンピック記念乗車券(都電と無軌条電車).他に同じデザインのバスと都営地下鉄の記念乗車券もありますが,地下鉄の記念乗車券は一回り大きいサイズとなっています.なお,無軌条電車はトロリーバスのことで,私は渋谷と池袋を結ぶ路線に1度だけ乗車したことがあります.

東京都交通局のオリンピック記念乗車券(都電と無軌条電車)
横浜市交通局も記念乗車券を発行していました.
写真は市電の記念乗車券で,金額は都電と同じ15円です.

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